《《《NICOLA派宣言》》》 1973年 1月 4日、「奇人、変人、そして天才」 といわれた栗原俊彦・九州大学教授は研究室に斃れた。 しかし彼が1960年代に手をつけた仮名漢字変換の研究は、 数年後にワープロという新しい生命を与えられ、10年後の世界を変えたのである。 その貴重な遺産を、食いつぶしてはならない。 私は迷うことなく、 コンピュータを使った日本語による知的生産のためのキーボードとして “NICOLA配列”を支持する。英文タイプライタとの互換性を維持しつつ、 ひらがなをうちやすくした同時打鍵は、電子化時代の奇跡なのだ。 そこにはカナモジタイプライタ時代の発想を超えた美しさがある。 私は疑うことなく、 キーボード配列の選択は国家百年の計であると考える。 1970年台後半の仮名漢字変換の実用化により、 日本語の情報化は急速に進んだが、 肝腎のキーボードは大正時代の呪縛を依然として背