【斎藤智子】子宮頸（けい）がんワクチン「サーバリックス」を接種した東京都杉並区の女子中学生（１４）が、歩行障害などの重い症状が出て、１年３カ月にわたり通学できない状況だったことが、７日の区議会で明らかになった。無料接種を行った区は「接種の副反応」と認め、補償する方針だ。補償額は未定。 　サーバリックスは３回の接種が必要。母親によると、女子中学生は１２歳だった２０１１年１０月に区内の医療機関で２回目の接種をした。その直後、接種した左腕がしびれ、腫れて痛む症状が出た。症状は脚や背中にも広がり入院。今年１月には通学できる状態になったが、割り算ができないなどの症状が残っているという。 　接種した区内の医療機関は「サーバリックスの副反応」と診断し保健所に報告した。厚生労働省によると、昨年８月末の時点で、全国で接種した延べ６６３万５千人のうち９５６人に副反応が起きているという。失神が多いが「四肢の運動

沖縄に駐留するアメリカ海兵隊の一部をグアムなどに移転するという日米両政府の合意について、アメリカ軍は、グアムへは２０２０年に、また、ハワイへは２０２６年までにそれぞれ移転を完了させる計画を初めて明らかにしました。 沖縄に駐留するアメリカ海兵隊を巡って、日米両政府は、戦闘要員など一部をグアムやハワイなどに移転することで合意していますが、移転の時期については明らかにしていませんでした。 これについて、アメリカ太平洋軍の報道部は、７日、環境影響評価や関連施設の建設が計画通りに進んだ場合、グアムには２０２０年におよそ４７００人を、ハワイには２０２５年から２６年にかけて２７００人を、それぞれ移す計画を明らかにしました。 日米両政府は、当初、移転の完了時期を２０１４年としていましたが、計画の遅れから、去年、「２０１４年以降のできるだけ早い時期」と修正しており、移転の時期が明らかになったのは今回が初めて

中国からの飛来が問題になっている微小粒子状物質「ＰＭ２・５」の大気中濃度が７日、埼玉県内で一時的に環境基準の２倍を超えるなど関東各地でやや高い濃度が観測された。気象庁は８日以降、中国からの黄砂が日本列島へ飛来すると予測しており、本格的な“東日本襲来”も懸念されている。一方、環境省が示した注意喚起の指針はあいまいで、自治体側からは「丸投げされても困る」との不満が噴出、対応が後手に回る恐れが出ている。埼玉県によると、幸手（さって）市で７日午後１時、１立方メートル当たり８０マイクログラムを観測した。ただ、これは１時間ごとの参考値で１日平均ではないため注意喚起は見送られた。

少子化の影響で全国的に増えている廃校となった学校の活用方法について考えるフォーラムが、東京・新宿区で開かれました。 文部科学省によりますと、少子化の影響で全国的に児童や生徒の数が減っていて、全国で廃校になった公立の学校はこの２０年間に６８００校余りに上っています。 ６日のフォーラムは、廃校の有効活用に取り組んでいる財団法人が「都市の廃校」をテーマに開き、自治体関係者などおよそ７０人が集まりました。 フォーラムでは、廃校となったあと、教室がそれぞれカフェや雑貨店、デザイン事務所などのテナントとして活用されている世田谷区の中学校や、体育館が劇場として生まれ変わった豊島区の中学校の事例などが紹介されました。 参加した東京・立川市の担当者は「廃校を抱えているので、ほかの自治体ではどうしているか参考にしたいと思って参加しました。地域の人に親しまれる施設にしたいと思います」と話していました。 財団法人

居所不明の小中学生が全国に千人近くもいる。文部科学省の調査でわかったそうだ。驚きである。それとも、こんな数字には、世間もあまりショックを受けなくなったのだろうか。 大阪の女児不明事件は、出生直後に死んでいるのに（殺したらしいが）両親が児童手当を不正受給していたことがわかり、詐欺容疑で逮捕されたという。居所不明の千人がどこで何をしているか不安が先に立つが、大阪のような恐ろしいケースがほかにないことを祈るばかりだ。 やはり親子関係がおかしい。親の子殺し、子の親殺しは論外だが、しかし、その背景にはうっすらとした親子不信が広がっているようにも思える。深刻なテーマだが、どうしたらいいのか、処方箋があるようで、ない。

金融政策、財政政策、成長戦略の三本柱からなる安倍晋三内閣の経済政策「アベノミクス」。そのブレーンの一人、内閣官房参与の浜田宏一東京大名誉教授と共著がある上武大（伊勢崎市）の田中秀臣教授＝日本経済思想史＝は「安倍首相の金融政策だけは断固支持する」と公言する。その真意を聞いた。（伊藤弘喜）

中国海軍の幹部は、去年９月に初めて配備した空母について、「ことし中に遠洋での試験航行を行うことになるだろう」と述べ、本格的な運用に向けて訓練の範囲を広げていく考えを示しました。 これは、中国初の空母「遼寧」の一連の試験航行を指揮し、５日から始まった全人代・全国人民代表大会に代表委員として出席している張永義総司令官が、中国中央テレビの取材に対し、明らかにしました。 この中で張総司令官は、「遼寧」について、「作戦能力を身につけるため、ことし中に遠洋での試験航行を行うだろう」と述べ、本格的な運用に向けて、訓練の範囲を、これまでの近海から遠洋へと広げていく考えを示しました。 さらに、「これまでに合わせて１２回の試験航行を終え、艦載機の離着艦訓練やパイロットのトレーニングなどの任務を完了した」と述べ、訓練が順調に進んでいることを強調しました。 今後の試験航行の場所は明らかになっていませんが、遠洋での

エジプトで、おととしの政変のあとの民主化プロセスの総仕上げとも言われている議会選挙を巡って、裁判所が「選挙の手続きを定めた法律が憲法に違反している疑いがある」とする判決を言い渡し、ことし４月に予定されていた選挙が遅れる可能性が出ています。 エジプトでは、おととし２月にムバラク前政権が退陣に追い込まれた政変のあと、民主化に向けた大統領選挙や新憲法を巡る国民投票などが行われており、モルシ大統領は先月、そのプロセスの総仕上げとも言われている議会選挙を、来月から６月にかけて、４つの地域に分けて実施すると発表していました。 これについて、エジプトの行政裁判所は６日、選挙の手続きを定めた法律が憲法に違反している疑いがあり、憲法裁判所で審査する必要があるとして、選挙の日程などを定めた大統領の決定を無効とする判決を言い渡しました。 憲法裁判所の審査には１か月以上かかる見通しであることから、来月から予定され

イタリアで先月行われた議会選挙で、第２の勢力となった中道右派連合を率いるベルルスコーニ前首相は、去年、巨額の脱税事件で有罪判決を受けたのに続いて、新たに警察の捜査情報を違法に漏えいした罪で、禁錮１年の判決を言い渡されました。 この裁判は、ベルルスコーニ前首相が首相を務めていた２００５年に、傘下にある新聞が警察による電話の盗聴記録を掲載し、前首相らが捜査情報を違法に漏らした罪に問われているものです。 盗聴記録は、当時の野党・民主党の書記長が金融機関の買収について関係者と交わしていた会話で、翌年の議会選挙を前に、前首相が野党をおとしめようとしたものと見られています。 この裁判で、ミラノの裁判所は、７日、前首相らの罪を認め、前首相に禁錮１年を、前首相の弟の新聞の発行責任者に禁錮２年３か月を、それぞれ言い渡しました。 ただ、イタリアでは、凶悪な粗暴犯を除いて一審で禁錮刑が言い渡されても収監されない

東アフリカのケニアでは、４日に投票が締め切られた大統領選挙の結果の発表が遅れるなか、有力候補の陣営が「不正があった」と主張して開票作業の停止を求める事態となっており、混乱が起きるのではないかという懸念が出ています。 ケニアの大統領選挙は、現職のキバキ大統領の任期満了にともなって行われ、８人の候補者のうち、首相のオディンガ候補とキバキ大統領の後継者とされる副首相のケニヤッタ候補の事実上２人の争いとなっています。 投票は４日に締め切られ、ケニアの選挙管理委員会は、当初、結果を４８時間以内に発表するとしていましたが、集計システムに不具合が出たため３日たった７日になっても発表していません。 選挙管理委員会の開票速報では、これまでのところケニヤッタ候補がややリードしており、オディンガ候補の陣営は、７日、「不正が行われた証拠がある」と主張して開票作業の停止を求めました。 これに対し、選挙管理委員会は７

福島県の杉林で、花粉がつく雄花に含まれる放射性セシウムの濃度を調べたところ、前の年の半分程度に低下していることが分かりました。調査した林野庁は「吸い込んでも、放射線による健康への影響はない」と話しています。 福島第一原発の事故で放出された放射性物質の影響を調べるため、林野庁は、去年１１月から１２月にかけて、前の年に調査した福島県内の杉林から、空気中の放射線量の分布にあわせて３１か所を選び、スギの雄花に含まれる放射性セシウムの濃度を測定しました。その結果、２８か所で前の年を下回り、全体では半分程度の値になっていました。 最も濃度が高かったのは、前の年と同じ原発から西北西に１０キロ余りの浪江町小丸で採取したスギの雄花で、前回の調査のおよそ３分の１の１キログラム当たり９万５００ベクレルでした。 同じ濃度のスギ花粉が、これまで国内で測定された最も高い密度で４か月間飛散し続けたとすると、吸い込んだ人

この冬に、雪に関係する事故で亡くなった人は、北海道で暴風雪が原因で動けなくなって死亡する人が相次ぐなどしたため、この１週間で２１人増え、全国で９６人に上っていることが分かりました。 総務省消防庁のまとめによりますと、この冬に交通事故や山岳遭難以外の雪に関係する事故で死亡した人は、北海道が最も多く３２人に上っているのをはじめ、秋田県で１７人、青森県で１５人、山形県で１１人、福島県と長野県でそれぞれ５人など、１３の道と県で合わせて９６人に上っています。 この１週間では、暴風雪が原因で死亡する人が相次ぐなどしたため２１人増えており、このうち北海道では、中標津町で雪に埋まった車の中で４人が死亡するなど、今月２日から３日にかけて暴風雪によって９人が死亡しています。 また、暴風雪以外のこの冬の死亡原因としては、除雪中の事故で死亡した人が７５人、屋根から落ちた雪の下敷きになった人が７人などとなっています

国連の安全保障理事会は、７日、公式会合を開き、３回目の核実験を強行した北朝鮮に対して、核やミサイルの開発に関連する人や資金の流れを止めることを目的に、厳しい措置を盛り込んだ新たな制裁決議案を全会一致で採択しました。 国連安保理の公式会合は、７日午前（日本時間の８日午前零時過ぎ）から始まり、アメリカが作成した決議案について採決を行った結果、全会一致で決議が採択されました。 決議はまず、北朝鮮の核実験を「最も強い言葉で非難」し、北朝鮮に対して、新たな核実験など挑発的行為を行わないことを義務づけています。 そして、加盟各国に対して、これまでの制裁決議に違反する行為を行った北朝鮮国籍の個人の国外退去や、核やミサイルの開発に関連する疑いのある現金を含む資金の移動の差し止めなどを義務づけています。さらに、初めて、北朝鮮の外交官に対し、監視を強めるよう要請しています。 また、各国に対して、武器や核開発な

社会保障の在り方を議論する自民・民主・公明３党の実務者協議は、高齢者医療をテーマに実質的な議論に入りましたが、後期高齢者医療制度の存続を主張する自民・公明両党と廃止を求める民主党の間で、議論は平行線に終わりました。 自民・民主・公明３党の実務者協議は、政府の「社会保障制度改革国民会議」の議論に併せ、ことしに入って毎週開かれていますが、協議の取りまとめ方を巡り意見が対立し、実質的な議論は行われていませんでした。 こうしたなか、３党は、個別のテーマの議論を始めることになり、７日は高齢者医療について意見を交わしました。 協議では、財政基盤の強化が課題となっている国民健康保険について、運営する主体を市町村ごとから都道府県ごとなどに広域化する必要があるという認識で一致しました。しかし、衆議院選挙の前から主張に隔たりがあるの後期高齢者医療制度については、制度の存続を主張する自民・公明両党と、廃止を求め

マレーシア東部のボルネオ島に、かつて現地を支配していた王国の末えいが率いるフィリピン人の武装グループが上陸したのに対し、マレーシアの軍などが攻撃を続けていて、これまでに双方の６０人が死亡しました。 この武装グループは、かつてマレーシア東部のボルネオ島の一部を支配していた「スールー王国」の末えいが率いており、先月中旬に、およそ２００人が拠点のフィリピン南部からボルネオ島のサバ州に上陸し、領有権を主張して海岸近くの村を占拠しました。 マレーシアは、今月１日に警察の治安部隊を出して鎮圧に乗り出したのに続いて、５日からは軍も加わって戦闘機などによる空爆や地上部隊による攻撃を続けており、警察によりますと、これまでの戦闘でグループの５２人の死亡が確認されたほか、治安部隊の８人も死亡しました。 こうしたなか、グループと同じ王国の末えいたちは、７日、マニラで記者会見し、直ちに戦闘をやめるよう呼びかけました