人の善意につけ込む、図々しい人たちが巷に増えている。飲食店でテーブルに置いてある紙ナプキンを束ごと、お一人様一点までが暗黙の了解である試供品をドラッグストアで棚にある限り持ち帰るなどの厚かましい行動が繰り返されたため、注意喚起の貼り紙がされたり、店員に声をかけてから提供とルールを新設など運用が明文化される事態が相次いでいる。ライターの森鷹久氏が、図々しい人たちに振り回されるトラブルについてレポートする。 * * * 我が国は法治国家である。しかし、すべての行動・事象が法によって規定されているわけではない。たとえば、人々の「善意」によって成立しているという物事は、身の回りにもたくさんあるはずだ。しかし、この善意を自分に都合よく理解する、もしくは善意を提供されるのが当然だと責めるような人々が増えれば、その都度、ルールや法律を作り、こうした言動を規制せざるを得なくなる。 「もちろん、お客様に喜ん