私の嫌いな言葉に「文春砲」がある。先日出演した番組でそんなコメントをしました。文春砲といちいち騒がれるのは他が報じていないという裏返しでもあると思うからです。 あと文春は別に正義の味方でもなんでもない。私は週刊誌は「猟犬」だと考えている。猟犬は政治ネタだろうが芸能人の不倫ネタだろうが目の前にあれば獲ってくるのが性(さが)。スキャンダリズムが得意で刺激と下世話にあふれる。 だから目の前に出されて問われるのは読み手側。そんなことを話しました。
軍事転用可能な機器を輸出したとして逮捕・起訴され、その後一転して起訴が取り消されたメーカー「大川原化工機」の大川原正明社長(74)らが、東京都と国に計約5億6000万円の損害賠償を求めた訴訟。6月30日には、捜査を担当した警視庁公安部の男性警部補が証人として出廷し、自ら「(事件は)捏造です」と証言する異例の展開を迎えた。 写真はイメージ ©iStock 「同社は液体を粉末に加工する『噴霧乾燥機』で、国内トップのシェアを占めます。警視庁や東京地検がかけた疑惑は、この噴霧乾燥機に生物兵器に転用できる滅菌機能があり、輸出の際に必要な国の許可を得ていなかった、というものでした」(司法担当記者) 警視庁公安部は2018年10月、同社を外為法違反容疑で家宅捜索に踏み切った。大川原氏らは誤解を解くべく、機器の図面を提供するなど全面協力。幹部らが300回弱の任意聴取に応じたが、20年3月に大川原氏ら幹部3
数あるテレビの報道番組の中でも、本格的な調査報道に定評があるのがTBS「報道特集」だ。 旧統一教会と政治家との闇、ロシアによるウクライナへの侵攻での悲劇、出入国管理行政をめぐる実態、東京五輪をめぐる公金流用……毎回のように「攻める姿勢」の報道で世間をあっと驚かせてきた。報道ドキュメンタリーなどに贈られる数々の賞を受賞してきた経歴もある。 遅きに失したTBS「報道特集」のジャニー氏の性加害報道 にもかかわらず、ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏の性加害問題についてはこれまで特集で扱うことを避けてきた。3月にBBCが報道しても放送しない。4月に元ジャニーズJr.の被害者男性が記者会見しても特集で扱わない。 5月中旬にジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長が謝罪動画を公表しても動かなかった。ライバル番組として並び評されることも少なくないNHKの調査報道番組「クローズアップ現代」が動き出し
家族が事件や事故に「巻き込まれる」ことをイメージする人はいるが、「加害者」になることまで想像する人は少ないであろう。しかし、あなたの大切な家族が他人の命を奪ってしまい、ある日突然、加害者家族になることは、特殊な人々だけが経験することではなく、日常に潜むリスクなのだ。 ここでは、2000件以上の加害者家族支援を行ってきた阿部恭子氏の著書『家族が誰かを殺しても』(イースト・プレス)から一部を抜粋。2019年4月19日に「東池袋自動車暴走死傷事故」を引き起こした飯塚幸三受刑者(91)の受刑生活を紹介する。(全2回の1回目/2回目に続く) ◆◆◆ 拘置所側も先例がない高齢者90歳の収監 幸三が東京拘置所に収監されてから数日後、妻の下には夫から手紙が届いていた。 「あまりに悲惨な状況に、母は泣き崩れてしまって……」 長男も、手紙の内容に衝撃を受けていた。 車椅子がなければ歩けない状態になった幸三は、
最近の地図アプリは、地図や実際の道路の画像だけではなく、航空写真を3D画像で立体的に表示してくれるため、スマホを眺めるだけで現地に行ったかのような気分を味わえる。 ある日、私は“日本のエーゲ海”と称される岡山県瀬戸内市牛窓町から、岡山市東区にかけての瀬戸内海に面したエリアの地図を、ぼんやりとアプリで眺めていた。このあたりには昔から塩田や干拓地が多く、地図を見ているだけで面白いのだ。 地域を流れる千町川の広い中州のような場所には畑や民家があり、「面白いなあ」と思って眺めていたが、さらに下流にスクロールしたところで私の手が止まった。河口の水門湾にほど近い位置に水門が2基あり、水門と水門の間、つまり川の中央に民家があるのだ。
〈拝啓 この手紙読んでいるあなたは どこで何をしているのだろう〉 アンジェラ・アキ(45)自らが作詞・作曲を手掛けた『手紙〜拝啓 十五の君へ〜』が大ヒットしたのは、15年前のことだ。2014年に音楽活動休止を発表した、黒縁眼鏡がトレードマークの歌姫。彼女はいま、どこで何をしているのだろう。 眼鏡は実は伊達である 英会話スクール「イーオン」社長の安藝(あき)清とイタリア系アメリカ人の母親のもとに、徳島県板野町で生まれたアンジェラ。ジョージ・ワシントン大学在学中に作詞・作曲を始め、卒業後はライブハウスで歌っていた。彼女に最初に取材した、ライターの内本順一氏が語る。 「25歳頃、日本に帰国。デビュー前にもかかわらず100曲程書き上げていて、どれも完成度が高かった。真面目で芯が強く、質問に『私はそうは思わない』とズバッと答えることもあり、とても新人とは思えなかった」 知名度を上げたのは北海道のラジ
しかし、悪評にも理由はあります。本作は同年イギリスで発生した「ソールスベリー毒殺事件」という実在の化学テロをテーマにしており、イギリス政府はこの事件の実行犯がロシア軍の諜報員だったと断定したものの、ロシア政府は真っ向から否定し容疑者の身柄引き渡しを拒否しました。 つまりこのゲーム、そんなセンシティブな情勢下でロシア側から出てきた、イギリスの国民感情を逆撫でするブラック・ユーモアだったというワケです。 ゲームボードには、二人の容疑者が英国入国までに辿った軌跡と、ソールズベリーを歩く防護服を着た人々が描かれている ナチス政権下のドイツで作られたあまりに“明白”なゲームたち その後、イギリスを含めたヨーロッパ諸国とロシアの関係性は悪化の一途を辿り、2023年現在彼らがどのような関係になっているかは……敢えて説明する必要もないでしょう。 娯楽は娯楽であるがゆえに、属する社会の価値観に大きな影響を受
和歌山と言えば、みんな大好き俺たちの二階俊博先生の牙城であり、本来は同県参議院議員の鶴保庸介さんの擁立を見込んでいたところ、紆余曲折あって衆議院への鞍替えを目指す同じ和歌山県選出の世耕弘成さんが阻止。その結果、岸本さんに4連敗中の門さんの出馬となったうえで惨敗となったため、さっそく世耕さんが惨敗の責任をどう取るのかという話になってしまったのは物悲しい展開です。 ただでさえ10増10減で議席が一つ減る和歌山県、大物が並び立つには狭すぎるのかもしれません。二階さんの後継候補者や世耕さんの衆議院鞍替えは要注目であります。 高市さんが国会でブチ切れたことで銀座のママ議員誕生 惨敗とまでは言えなかったものの、奈良県知事選でも経済安保担当大臣にして自民党奈良県連会長でもある高市早苗さんが、知事5選を目指す荒井正吾さんを降ろす調整を上手く手掛けないまま子飼いの平木省さんを立てて、びっくりするほど保守分裂
坂本龍一さんの訃報を新聞はどう報じたか? 音楽家としての功績はもちろんのこと、活動が多岐にわたる方だったので、報じるべきことが膨大にある。その情報の取捨選択から、新聞各紙のキャラクターの違いも見えてくる。私のライフワークである「新聞の読み比べ」としても読みごたえがありました。 新聞各紙を読み比べると… まず訃報翌日の紙面(4月3日)を見てみよう。 朝日『坂本龍一さん死去 71歳 YMO、世界的音楽家』 読売『坂本龍一さん死去 71歳 YMO、「ラストエンペラー」』 毎日『坂本龍一さん死去 71歳 「YMO」「ラストエンペラー」』 産経『坂本龍一さん死去 71歳 YMO「ラストエンペラー」』 東京『坂本龍一さん死去 71歳、がん闘病 YMO、「戦メリ」』 日経『坂本龍一さん死去 71歳 YMO、「ラストエンペラー」』 「毎日」と「東京」は一面頭、トップニュースで伝えた。「朝日」「読売」は一面
神奈川県知事選(4月9日投開票)で4選を目指し、立候補している黒岩祐治知事(68)が、11年間にわたって年下の女性と不倫関係にあったことが、「週刊文春」の取材でわかった。 黒岩氏は灘中・高を経て、早稲田大を卒業し、1980年にフジテレビに入社した。『報道2001』のキャスターを15年ほど務めた後、2011年の神奈川県知事選で初当選。3期12年の実績を引っ提げて戦う今回の選挙は自民、公明、国民民主各党の県連から推薦を受け、他候補をリードしている。“選挙公約”で筆頭に挙げるのは、〈パパママ目線を踏まえた保育環境の充実〉などを掲げた子ども政策。さらに女性政策にも力を注いでおり、〈生活困難女性支援の強化〉などを訴えている。
いわゆる“コンサルタント”のイメージ さて、この記事を読んでいる読者は、いわゆる「コンサルタント」についてどんなイメージを持っているだろうか。 パリッとアイロンのかかったシャツにスリーピースのスーツと高価な腕時計を身につけ、ホワイトボードの前で3つの論点をMECEに(漏れなくダブりなく)並べ、クライアントに経営課題を説く──私も入社前はそんなステレオタイプなイメージしかなかった。その程度の理解しか持ちあわせていなかった私大法学部卒の私がなぜコンサルティング会社に入ったのか、当時の背景を軽く話しておきたい。 高校時代にハイスタンダードや銀杏BOYZにはまってバンド活動をはじめた私は、ドラムにちょっとした自信があり、大学になってからは、友人たちとオリジナル曲を作っては吉祥寺や下北沢のライブハウスで月2回程度のライブをして、好評を博していた。時間を自由に使って音楽活動に専念すれば、自分の才能が世
「AI山本一郎」に問いかけてみたところ 実際、私の本業の周りでも映像作品を提案するのに「これこれこういうモチーフで企画案やシナリオを作ってください」と要求すると、何となくそれっぽいものを作成して「どうですか」とか返してくれます。 おお、これは便利だ。 私も執筆者として17歳ぐらいからずっと記事を書いたりレポートを発表したりしてきて、ハードディスクには2,400万字ほどの過去の私の文章が保存されています。これをあらかたAIに食わせてGoogle Cloud上に「AI山本一郎」を作り、そいつに「より良く生きるってどういうことですか」って問いかけてみたところ、こんな文章を返してきました。 生きるなんて考えているから、お前の人生はつまらないんですよ。そもそも生きることを意識するなんて無駄です。いちいち息を吸ったり吐いたりするのを考えたりしますか。限りある人生を良く生きるためには、生きていることその
『完全ドキュメント 北九州監禁連続殺人事件』(小野一光 著)文藝春秋 もう、やめてくれっ――。私は息を詰め、ページを繰りながら、幾度こう叫びたくなったことか。 日本犯罪史上最凶最悪のサディストにして詐欺師、松永太。本書は5歳から61歳まで、7人を長期間監禁し、想像を絶する拷問で嬲り、地上から消し去った鬼畜松永の半生と、複雑怪奇な連続殺人の真実に迫った、超ヘヴィ級のノンフィクションである。 日本中を震撼させた空前絶後の猟奇事件は2002年3月、監禁部屋から脱出した17歳の少女が警察に駆け込み、発覚している。松永は内縁の妻の緒方純子と共に“獲物”を物色。甘言を弄して取り込み、密室の拷問で服従させ、カネを、生命(いのち)をしゃぶり尽くした。著者は20年に及ぶ取材と膨大な司法資料の精査で、数多の新事実を炙り出し、地獄絵図の全貌を暴く。 辛くも生き延びた少女の証言は凄惨の一言である。まだ小学生の時分
◆◆◆ ChatGPTとしのぎを削るライバルたち ――ChatGPTのほかにも似たようなサービスはあるんですか? 深津貴之氏(以下、深津) ありますよ。ChatGPTはいわゆる「大規模言語モデル(LLM)」というジャンルのAIで、このジャンルに限ると、開発中のGoogleの「Apprentice Bard」やMetaの「LLaMA」、すでに運用されているMicrosoftの「Bing Chat」などが有名どころですかね。 Microsoftの「Bing Chat」使用画面 AmazonもHugging Face(編集部注:機械学習アプリケーションを作成するためのツールを開発しているアメリカの企業)と連携してこれから開発したい、みたいなノリです。Appleだけは沈黙を守っているという状況ですね。 ――それぞれのサービスで得意なことは変わってくるのでしょうか。 深津 LLMはネット中の文章を全
「若手時代には経済部で大蔵省や自治省を取材。その後、企業報道部で電力業界やビール業界の担当を経て、最近は不動産業界に詳しい専門記者として活躍していた。仕事熱心で後輩の面倒見がよく、業界に食い込んでネタを取ってきたり、新聞記事を書く傍ら、すでに著書を4冊も上梓するなど“できる記者”の顔を持っていた。一方で、企業との“癒着”が度々取り沙汰されてきた。豪放磊落な性格のXは女性のいるクラブも大好きで、大手企業からベンチャーまで様々な企業の関係者や広報に『今度銀座のクラブに連れて行ってくださいよ』『可愛い女性のいる店でお願いします』などと要求しては飲み歩いていました」(日経中堅社員) そのX氏が懲戒解雇されたのは何故なのか。日経幹部が語る。 「今年1月、各グループ長が参加する会議で、ある社員が懲戒解雇となったことが伝えられました。明かされたのは当該社員の所属と役職のみで名前も明らかにされませんでした
「2年くらい経つ頃にはお客さんのセクハラも軽く受け流せるようになっていました。その場を盛り上げる接客なども身に着いてきて、お座敷でのお仕事が楽しいと思えるようになりました。でも置屋暮らしからは一刻も早く抜け出したかった。 お母さんはいけずで、私がすること全てに言いがかりとも思えるようなことを言ってくる。一生懸命やっても上手く出来ずに困っていても、次からどう直したらいいのか教えてくれない。食事も腐りかけのものや、時には姉さんの食べ残しを出されることもあった。人間として扱われないような日々が続くうち、『もう死んだほうがいいな』と思うようになりました」 日本舞踊を披露する桐貴さん(桐貴さん提供) 基本的に舞妓の奉公期間は5年とされており、デビューするまでにかかった多額の経費を5年間のお座敷仕事のなかで返していくということになっている。5年を待たずに辞めてしまうと経費は親に請求されるため、理不尽な
信千世は岸信夫前防衛相の長男として生まれた。フジテレビ記者を経て、父の秘書を務めていた。しかし信夫が病気のために議員辞職することを発表すると、信千世が後継を目指すことを表明したのである。 信千世が表明した「志」は… ドラマなら大事な見せ場であり、視聴者の心をつかまなければいけない。さっそく信千世は2月から政治活動のためにHPを立ち上げた。そこで高らかに表明した志とは何か。トップページに出てきたのは「家系図」だった。 信夫の祖父「岸信介」元首相の名が目立つ場所にデンとあり、その横に「佐藤栄作」元首相(岸信介の弟)、さらに信夫の兄の安倍晋三元首相、その父の晋太郎元外相、晋三の祖父で衆院議員だった寛の名があった。国会議員6人が並ぶ家系図を掲載し、それらの人物に連なるのが自分(信千世)であるというアピールをかましたのであった。 これが『どうする信千世』の初回放送である。タイトルは「わしの家」。奇し
役所を騙して生活保護を受給しようとする市民も… ここでは公務員の日々の仕事をイメージしてもらうため、自治体をとりまく様々な人間関係を職員目線で紹介していきたいと思います。 公務員、特に基礎自治体の職員は、対象とする顧客が非常に幅広いため、相手に応じて話し方や内容を上手く使い分けるコミュニケーション能力が強く求められるのです。 市職員が小学校や中学校で授業を行う、出前授業というものがあります。例えば、将来、児童生徒が有権者となった場合に投票を棄権しないように、また広く選挙について知ってもらうため、選挙管理委員会の職員が説明をするのです。 こうした時に求められるのは、児童生徒に興味を持ってもらえるように話すことです。「投票箱や記載台は、実はこのように組み立てるのです」とか、「投票日当日、最初に投票に来た住民には、投票箱が空であることを確認してもらうのです」など、児童生徒を引き込むことが大事です
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