新装版 北斗の人(上) (講談社文庫) クチコミを見る 司馬遼太郎の『北斗の人』を読んでいて、18~19世紀の「剣道」に大きなイノベーションがあったのだなあと、感心した。 この小説は、幕末に大きな影響を持つことになる千葉道場の北辰一刀流を打ち立てた千葉周作(1793~1856年)の伝記だ。千葉が開いた玄武館は幕末についての小説を読むとよくでてくる。江戸に出てきた幕末の有名人(清川八郎、高杉晋作、桂小五郎、坂本龍馬等々)は大抵ここで学んでおり、幕末期には3000人もの弟子を抱えるまでの隆盛を誇っていた。その千葉がどうやって、新しい剣道を生み出していったのかというのが、物語の中にいろいろと言及されている。 「竹刀」と「防具」は18世紀のイノベーション 青年時代の千葉が江戸に学んだ時代に、「竹刀」と面・小手・胴といった「防具」を使った訓練法が登場したばかりで、最新の訓練法であることが説明されてい