潮さんの記事を読んで、ちょっと考えさせられた。私もJBpressに書いたが、原爆投下を主語の不明な「人類の悲劇」として描くのは、NHKだけでなく日本のマスコミに共通の問題である。これを「GHQの洗脳」だとかWGIP(War Guilt Information Program)だとかいう陰謀史観で語るのは的外れだ。 私もNHKで終戦記念番組をつくったことがあるが、そういう特定の方針でつくれという指示が出るわけではない。そういう企画しか通らない暗黙のタブーがあるのだ。そのベースになっているのは、太平洋戦争は日本の侵略戦争だったという歴史観である。 そういう面があることは否定できないが、アメリカの原爆投下は国際法違反ではないか。ソ連が満州で日本人を60万人以上抑留したのは戦争犯罪ではないのか――こういう提案をしても通らない。そういう問いかけは、してはいけないのだ。 私が1991年に「朝鮮人強制連