相 互 扶 助 お互いに助け合うこと。「互助」と略すこともある。 「一致協力」「共存共栄」「協力一致」「相互依存」「相互協力」。 ★ もとはロシアの無政府主義者・クロポトキンの社会学説の中心原理の訳語。 進化論者・ダーウィンの思想が「生存競争」「自然淘汰」「弱肉強食」「優勝劣敗」「適者生存」……で表されるとすれば、『相互扶助論』の著者・クロポトキンのそれは「相互扶助」の一語に尽きる。「原始人、未開人社会、中世都市に見られた相互扶助のしきたりや制度は人間の本能にもとづくもの」とするクロポトキンによれば、個体同士が自発的に助け合うことこそが社会発展の要因であると考えるため、統治機構を否定し、連帯に基づく社会を目指した。 もちろん、南方熊楠らが批判したように、生物学から見れば妥当とは言えない部分もあるのだが、過激なダーウィニズムをそのまま人間に適用することへのアンチテーゼとして、またそうでなくて