会社と株主の対話ともいわれる株主提案をめぐり、法相の諮問機関「法制審議会」の会社法制部会で、議案の数や内容の制限が検討されている。権利乱用とみられるケースがあるのが背景だが、「会社の意に沿わない提案を拒まれることにならないか」と不安の声を上げる株主もいる。 「オフィス内の便器はすべて和式とし、足腰を鍛錬し、株価4桁を目指して日々ふんばる旨定款に明記する」「取締役の社内での呼称は『クリスタル役』とし、代表取締役社長は代表クリスタル役社長と呼ぶ旨定款に定める」――。 野村ホールディングス(東京)の5年前の株主総会で、ある株主が提案した議案が諮られた。元々の提案は100あったが、うちこれら18議案が総会に付議され、全て否決された。 昨年1月~今年3月に公益社団法人「商事法務研究会」(同)が開いた会社法研究会で、この事例が「乱用的」と取り上げられた。法務省職員も研究会メンバーで、株主提案権の制限が