最小限の言葉だからこそもつ音の秘密――。マントラの響きはわずか262文字の“呪文経典”の神髄でもある。『般若心経』は人がものを思考する際の羅針盤にもなる。音読してみて、日常では感じられない世界に入ってみよう。 呪文の働きの奥に「神秘」の力がある たくさんあるお経の中で『般若心経』は、日本で「もっとも人気のあるお経」と言えるでしょう。なぜなら『般若心経』には私たちの心に働きかけてくれるものがあるからです。『般若心経』の働きは、一言でいえば「呪文」です。そしてその奥にあるのは「神秘」です。『般若心経』の262文字の短い言葉には、私たちに神秘の力を実感させる鍵の働きがあります。 まず、『般若心経』の成り立ちについて簡単に説明しましょう。『般若心経』は経典ですから、お釈迦様、つまりブッダの教えだと思っている人は多いでしょう。「『般若心経』こそが釈迦の教えのエッセンスである」という言葉を聞いたことが
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