高度成長期やバブル景気の経験を引きずる中高年 さてここで冒頭の問題、「あなたは景気回復を実感していますか?」と尋ねると8割もの人々は「あまり感じない」あるいは「全く感じない」と答えるアンケート調査結果と矛盾する、もうひとつのアンケート調査結果を紹介しよう。 これは内閣府がほぼ毎年行っている「国民生活に関する世論調査」の1項目であり、「あなたは現在の生活にどの程度満足していますか」と問うものだ。図4がその結果の長期推移である(この調査項目は1992年から)。 これを見ると、「満足している」と「まあ満足している」との回答の合計比率は、90年代後半から低下するが、ITバブル崩壊と銀行の不良債権危機の最終局面だった2003年の58.2%を底に上昇傾向を辿り、リーマンショックで景気後退期となった2008~09年にいったん下がる。そしてそこからまた上昇トレンドになり、2017年調査では73.9%と当該