サッカーワールドカップ(W杯)1次リーグ最後のポーランド戦のラスト10分間、日本代表の戦い方に賛否両論が集まった。0-1と負けているにもかかわらず、ボールを回して時間を稼いだプレーである。とても興味深い事例なので考察したい。 決勝トーナメント進出を決め喜ぶ長谷部誠(左)ら日本代表イレブン(撮影・江口和貴)■星稜松井の5打席連続敬遠 私が興味深いと思ったことは次の3点である。 (1)W杯はエンターテインメントか勝負か (2)ルールにないことはどの程度までやってもいいのか (3)勝利条件はどこに設定すべきか まずW杯はエンターテインメントか勝負か? わかりやすく整理すると、見ている側はエンターテインメントであり、やっている側は勝負である。だが時に勝負に徹すると、観客から見て面白くない戦術が有効な場合がある。2つの目的が対立しているからだ。 1976年(昭51)のムハマド・アリとアントニオ猪木の
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