ブックマーク / best1000.pico2culture.jp (31)

  • 第90回「万世橋酒場(秋葉原)/万かつサンド」: パリッコの「大衆酒場ベスト1000」

    肉の万世っていうと関東地方を中心にチェーン展開する焼肉屋?お肉のレストラン?すいません、実は入ったことないんで詳しくしらないんですけど、かなりの有名店ですよね。 実際、僕の実家の近くにも一件ありまして、子供の頃からその字面だけはよく見てました。 で、多くの万世は郊外の街道沿いに平屋か2階建てくらいでポンとあるイメージですが、店は随分と趣が変わります。 “万世”というくらいで秋葉原の万世橋のたもとに、周囲を威圧するかのようにドーンと10階建てのビルがそびえ立っているんですね。 創業は昭和24年。 その歴史に恥じぬ重厚感です。 入り口もこんな感じで、多数の“万”の文字が入った提灯が、「ここから先、非日常!」というメッセージを発信しています。 また、写真の右下を見てもらうと、1階から10階までのフロア説明がずらっと書かれた看板がありますよね。 これがすごい! 地下1階はビアホール、1階は精肉店

  • 第87回「福ちゃん(浅草)/牛スジ焼きそば」: パリッコの「大衆酒場ベスト1000」

    最近ふと、自分がなんでこんなに居酒屋、それも昭和の残り香を感じる古い店、場末の店にばっかり興味があるのかを考えてみたんですよ。 大前提なのはもちろん“酒が好き”という事実。 世の中にはほんの一口のお酒を飲んだだけで具合が悪くなってしまう、お酒を受け付けない方というのも大勢いらっしゃいますが、僕は体質的に合う方だったんでしょう、お酒が美味しいと感じるし、飲むと楽しくなる。 加えて翌日あまり二日酔いをしないというのも大きいかもしれません。 必然、飲める年齢になってからは居酒屋に行く回数も増えました。 また、僕が子供の頃、祖父母が板橋区で小さな町工場をやっており、1階は工場、2階は住居という不思議な作りの建物とその周囲は格好の遊び場でした。 そのすすけた、過度に昭和的下町的風景は、もう無くなってしまった今でも思い浮かぶほど鮮烈に覚えており、そこに対するノスタルジーみたいなものもあるのかもしれませ

  • 第84回「ふく木(那覇)/ソーメンチャンプルー」: パリッコの「大衆酒場ベスト1000」

    まずは前置きから。 今回ご紹介するお店をこうして記事にし、ネット上で紹介して良いものか、実はかつてないほど悩みました。 というのも、あまりに小さく、素朴で、そして温かい、地元の方々の隠れ家的なお店だからです。 自分たちでもここを発見出来たことを誇りに思い、そして出来れば秘密にしておきたいからです。 いつもこういうジレンマには悩まされているわけですが、今回は特にでした。 しかし、自分の居酒屋体験の中でもとりわけ強烈だったこのお店との出会いを記録せずして、何が「大衆酒場ベスト1000」か! そして何より、たった2回の訪沖で十分に思い知らされた“沖縄の懐はこちらの想像を遥かに超えて深い”という事実があります。 悩んだ末、僕は東京から女将さんに電話しました。 やはりというかなんというか、こちらの体調や一緒に行った友達の様子を気遣ってくれたり「こっちは昨日から梅雨入りしたよ」なんて世間話に心が温

  • 第77回「みゆき食堂(清瀬)/カツカレー」: パリッコの「大衆酒場ベスト1000」

    「一番好きなべ物は?」という質問に対し「あれもいいな、これもいいな」と迷ってしまう方は多いと思います。 しかしおかげさまで、自分に関しては「間違いなくこれ!」と、バシッと1つ答えられるべ物が決まっています。 それは“カレー”。 カレーにも色々ありますが、僕が特に好きなのはいわゆる、日風、家庭風のカレーです。 では「好きなトッピングは?」と聞かれたら、こちらも迷いなく答えられますね。 「カツ!」と。 さらに、カレーとカツカレーを自分の中で比べてみると、大いに“カツカレー有利”ですから、つまり正確には、僕の一番好きなべ物はカツカレーということになります。 今回はそんな、自分にとってパーフェクトなべ物であるカツカレーと、これまたパーフェクトな雰囲気を持った堂のお話。 以前からちょこちょこと縁のある街に「清瀬」があります。 この連載ではお馴染みの西武池袋線で池袋から15駅も下りまして、

  • 第38回「若大将 まつしま(池袋)/特製煮込み」: パリッコの「大衆酒場ベスト1000」

    今日はごく普通~に、最近僕が気に入ってる居酒屋をご紹介したいと思います。 あんまり面白い事は起こらないかもしれませんけどご了承下さい。 ご紹介するのは、池袋駅北口からすぐの「若大将 まつしま」さん。 以前この連載にも登場した居酒屋「大都会」のはす向かい辺りって感じでしょうか。 ここがね~、もう、雰囲気、接客、味、量、値段、どれを取っても高レベルで、大変バランスの良い名店なんですよね~。 まずは外観をご覧下さい! ね?まずはこの佇まい、完璧でしょ! ただ、外からだと中の様子が見えなくて広さがわからないし、どんだけハードコアな酒場かも読めないので、入り口のドアを開けるのにはちょっとだけ勇気がいる感じですよね。 でも、変に敷居の高い雰囲気とかはありませんので心配せずに入店しちゃいましょう! 店内は外観から想像するよりはずいぶんきれいな印象です。 入り口を入ると左が調理場、壁沿いにカウンター席が設

  • 第25回「大都会(池袋)/春菊天そば」: パリッコの「大衆酒場ベスト1000」

    勘違いしないで頂きたいのですが、この連載は安くて美味しい居酒屋さんばかりを紹介したい物ではありません。 毎回おすすめの一品を載せてたりするのでそう思われる節もあるかも知れませんが、超個人的な主観でもって、星の数ほどある居酒屋さんの中から偶然にも僕が出会った素敵な店、おもしろい店、憎めない店なんかについて語る、酔っぱらいの戯言とでも思って頂ければ幸いです。 ちなみに僕が嫌いなタイプのお店というのは決まっていて、まず店員さんの接客が横柄だったりして、せっかく足を運んだお客さんに嫌な思いをさせちゃう店。 それからまずいのに高い店。 わかりやすいですよね。 ほんと、それくらいですよ。 でもね、“まずくて安い店”ってのは実はそんなに嫌いじゃないんだ。 “うまくて安くて接客最悪の店”と“まずくて安くて接客最高の店”だったら、僕が愛すべきだと思うのは間違いなく後者ですね。 うん、少し言葉が悪いかな。 こ

  • 第76回「立ち飲みコーナー 大つか(大塚)/サバ焼き」: パリッコの「大衆酒場ベスト1000」

    この連載を始め、音楽漫画だと色々手を出しすぎているので、僕のことを「一体お前は何者なんだ!?」と思われている方も多いと思います。 しかしひとまず僕は自由業や自由人といった人種ではなく、普段平日は朝から夕方まで会社で働いてます。 ですから、酒飲みの至福である“明るいうちから1杯”なんてのは基的には憧れであって、あんまり出来ないわけです。 ただしそんな僕が、2ヶ月に1回だけ、平日の昼間っから禁断のお酒を頂いてもいいと勝手に自分に許可しているスペシャルデイがあるんですよね。 それが“校了日”。 普段、編集者っぽいような仕事をしておりまして、2ヶ月に1回大きな締め切りが来るのが常なんです。 入校日が近付くに連れて仕事量がガンガンに増えていき、またそれに連れて朝方の生活にシフトしていくっていうのが自分に合った方法のようで、締切の2週間くらい前からは7時起き→6時起き→5時起き→4時起きと、日を追

  • 第70回「かいゆうてい(那覇)/ソーキ炙り」: パリッコの「大衆酒場ベスト1000」

    めんそ~れ~! ピコピコカルチャージャパンをご覧のみなさま、なんくるないですか? …おっと失礼、実はつい先日まで沖縄に行っていたもので、まだ“ウチナーンチュ”が抜け切れておらず。 と、沖縄県民の方が読んだら「なめんな」と怒られそうな始まり方で失礼します。 実はこの11月に、結婚記念日ってやつに合わせて沖縄に行って来てしまいました。 以前チミドロのスズキナオさんの連載「早く老人になりたい」で「片道1円の飛行機に乗って福岡へ行ってきた話」という回がありましたよね。 これを読んで「いいなぁ」「羨ましいなぁ」なんて思っていたんですが、1円とまではいかないんですけど、今回かなりの破格で沖縄に行けるキャンペーンを利用することが出来まして。 と言っても自分はそういう部分なかなか積極的に動けるタイプではなく、常日頃「飛行機でどっか行きたいなぁ、遠くへ…」なんて言っているばかりだったのですが、それを聞いた

  • 第68回「たつや(沼袋)/もつカレー」: パリッコの「大衆酒場ベスト1000」

    例えば土・日・月と続いた3連休の最終日。 悲しさとか、寂しさとか、虚しさとか、色んな感情が渦巻いては消えていくと思うんですけども、中でも一番大きな感情っていうと“悔しさ”じゃないですか? 始まる前はテンション最高潮、先のことを何も考えていないバカのような顔で迎えた3連休。 それが刻々と終わりに近付いているという状況。 悔しい。 冷静に考えると何が悔しいんだかわかんないけど、とにかく悔しい…。 この感情は、どんなに充実した土日を過ごしたとて回避不可能だと思います。 ではそのやり場のない悔しさを紛らわすために取る行動と言えば? そう飲酒です。 あれは2個前くらいのそんな日だったかな。 特にこれといった予定も無い三連休の最終日。 のんびり目覚めてダラダラ過ごして、時間は午後三時過ぎ。 こんなテンションの時は近場にフラッと繰り出すのが一番なんですけど、ちょっと新鮮さも欲しい。 そうなって来ると、西

  • 第66回「たぬきや(稲田堤)/牛もつ煮込み」: パリッコの「大衆酒場ベスト1000」

    もうずっと、焦がれるほどに行きたいと思っていた酒場があったんです。 神奈川県川崎市「稲田堤」駅が最寄りで、多摩川のほとりにそっと佇む、いわゆる居酒屋というよりは休憩処に近いお店。 店名を「たぬきや」さんと言います。 以前も友人にお誘い頂いたことがあったんですが、その日は残念ながら都合が付かず。 存在だけは知っている状態で、たぬきやへの思いは募るばかりでした。 「ならば休みの日にでも勝手に行って来い!」と仰りたい気持ちもよくわかりますが、この稲田堤という駅、家から数えると何回乗り換えあるんだ?って感じで、結構ややこしいんすよね。 「いつか行きたいなぁ」と思いながら伸ばし伸ばしにしてしまっていて、そういうことってありません? ところがそんなある日、救世主が登場しました! 最高の連載「早く老人になりたい」でもお馴染み、チミドロの鈴木ナオさん。 夏の中頃に連絡を頂きまして「稲田堤のたぬきやって店が

  • 第65回「135酒場(池袋)/麻婆豆腐」: パリッコの「大衆酒場ベスト1000」

    出だしから身も蓋もないこと言っちゃいますが、この連載でよく紹介してるような年季の入った大衆酒場って、ぶっちゃけ入りづらくないっすか? 特に外から中の様子が見えない、情報もほとんど出してないお店。 「怪しい店なんじゃないか?」「ドアを開けた途端に大量の常連がいっせいに睨んでくるんじゃないか?」「その常連だけの独自ルールがいっぱいあるんじゃないか?」「焼鳥の注文の順番を間違えると大将に殴られるんじゃないか?」「ボッタクリ店なんじゃないか?」「めちゃくちゃ汚ったねぇ店なんじゃないか?」…。 考え出すといくらでもマイナス要素が思い浮かんで、躊躇してしまいますよね。 これまでにさんざん色んなお店を紹介して来た僕だって、もちろん例外ではないんですよ。 特に1人で予備知識の無いお店に初めて入る時なんか、「うわ、ここ気になるなぁ。でも中が見えないなぁ。入っちゃって大丈夫かなぁ。やめとこうかなぁ。」なんてお