fMRI装置の中で動かないよう、イヌたちをしつけるには数カ月を要した。(PHOTOGRAPH BY ENIKŐ KUBINYI) 飼い主にしてみれば、イヌに自分の言葉が通じているのは当たり前であり、科学的な研究など不要だろう(筆者を含むネコの飼い主は、いささか心もとないが)。 だが、人が発する言葉のうち、イヌたちが何に反応しているのかは、必ずしも明らかではない。 最新の脳スキャンによれば、飼い主が「いい子だね!」と言葉を掛けるとき、イヌは単語とその言い方の両方を聞いているという。人間の会話では単語とイントネーションのどちらも大切だが、イヌにとっても同様なのかは、これまで分かっていなかった。 8月29日付で学術誌「サイエンス」に掲載された研究で、イヌの脳も人間と似た方法で情報を処理していることが判明した。 英ニューカッスル大学の神経心理学者で、この研究には関わっていないクリス・ペトコフ氏は、