研究の背景 近年、イヌやウマが、人間に対して高度に社会的な認知能力を示すという研究が次々と報告されています。 一方、イヌと並ぶ二大伴侶動物であるイエネコ(下図)の社会的な認知能力は、これまであまり注目されて きませんでした。およそ1万年前に、リビアヤマネコが人間とともに生活をするようになったのがイエネコ の始まりとされていますが、イヌやウマなどの使役動物とは異なり、ネコは実用上の目的(ネズミ捕り) のための積極的な改良はされてこなかったと考えられています。 このようにイヌやウマとは異なる家畜化の歴史を持つネコが、人間に対してどのような社会的な認知能力 を発揮するのかを調べることは、家畜化と社会的な認知能力の関係性を明らかにする上で重要であると考 えられます。 研究内容 (1)実験の方法 一般家庭で飼育されている合計20匹のイエネコを対象に、家庭訪問による実験を実施しま