□東京基督教大学教授・西岡力 「西岡さんと私が世間から極悪人と呼ばれることを覚悟して真実を追究しましょう」。22年前、ある月刊誌で慰安婦問題に関する論文を書いていたとき編集長が私に語った言葉だ。朝日新聞が、過去の自社の慰安婦問題に関する記事の検証を行った。それを読みながら、そのことを思い出した。 ≪22年前の朝日記事批判≫ 朝日は検証を行った理由について5日付の紙面で〈一部の論壇やネット上には、「慰安婦問題は朝日新聞の捏造(ねつぞう)だ」といういわれなき批判が起きています。しかも、元慰安婦の記事を書いた元朝日新聞記者が名指しで中傷される事態になっています〉と書き、読者の疑問に答えるとした。検証は私への反論とも取れた。なぜなら、私は22年前、元慰安婦の記事を書いた植村隆記者の実名を挙げて最初に批判し、その後も今まで論文や著書で批判し続けてきたからだ。 22年前の論文で私はまず、植村氏が、最初