システムの構造や実装方針を決定し,アプリケーションの機能,データ,画面などを定義する「基本設計」。ITエンジニアの「コア中のコア」と言えるスキルだが,「最近弱体化している」と指摘する声が増えている。今こそすべてのITエンジニアが,ユーザーの高品質,短納期の要求に応えるために,「基本設計」のスキルを改めて見直すべきだ。 「ベテランのエンジニアは基本設計の一般的な手順は理解しているが,高度化・専門化した実装技術を駆使したアーキテクチャの設計でとまどう。一方,若手エンジニアは実装技術には詳しいものの,肝心の基本設計の基礎的な方法論を理解していないことが多い」――。 こうした悩みは,多くの開発現場に共通する。これは,基本設計そのものが難しくなっているからにほかならない(図1)。 メインフレーム時代は,ウォーターフォール型の開発プロセスと自社の製品の知識さえあれば基本設計をこなせた。しかし,システム