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ブックマーク / blog.tatsuru.com (8)

  • 父親のかなしみ - 内田樹の研究室

    小学館の取材で「家族」についてお話しをする。 もう何度も書いていることだが、親族制度というのは言語や経済活動と同じだけ古く、それを営むことができるという事実が人間の人間性を基礎づけている。 と書くと「ああ、そうですか」と退屈そうなリアクションをする人がいそうだが、人間とサルを分岐するのがその点であるということは、見方を逆にすれば「およそ人間であれば、誰でもできる」ということを意味している。 そこのところを当今の家族論は見落としているのではないか。 家族について論じている言説に触れて、つねに感じることは「そんなむずかしいことが『ふつうの人間』にできるわけないでしょ」ということである。 かつて「アダルト・チルドレン」という言葉がはやったことがあった(死語になってくれたようでうれしい)。 機能不全な家族で育った子どもがその後社会的能力が劣化する現象をいうのだが、そのとき列挙されていた機能不全家族

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    gouk 2010/05/21
    だがしかし普通って一番難しいと思ってしまった。で、難しい原因の1つは退屈に見えてしまうからなんだろう。報道とかも一緒だな。
  • 困ったときは老師に訊け - 内田樹の研究室

    文學界の鼎談で、日帰り東京ツァー。 行きの車中で、週刊文春の普天間基地問題特集のための原稿書き。 同じ話を繰り返すのに、いいかげん飽きてきた。 私が言っていることは九条論のときからほとんど変わっていない。 それは私たちの眼に「解きがたい矛盾」と見えているものは、「ほんとうの矛盾」から眼をそらすためにつくりだされた仮象の矛盾だということである。 九条と自衛隊は矛盾していない。 それはアメリカが「日を無害かつ有用な属国たらしめる」という政治史文脈の中で選択された。 アメリカにとってこの二つの制度は「二個でワンセット」のまったく無矛盾的な政策である。 それを日人たちが「相容れぬものである」として、護憲派・改憲派に分かれて互いに喉笛にいつきそうな勢いで争っているのは、いったんそれが「実は無矛盾的である」ということを認めてしまえば、「日アメリカの軍事的属国である」ことを認めざるをえないから

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    gouk 2010/05/10
  • 男性中心主義の終焉 - 内田樹の研究室

    『プレシャス』のオフィシャル・パンフレットが届いた。 不思議な映画である。 あちこちの映画祭で受賞しているけれど、どうしてこの映画がそれほど際立つのか、たぶん日の観客にはその理由がよくわからないのではないかと思う。 それについて書いた。 変わった手触りの映画だな・・・と思った。「ふつうの映画」と違う。どこが違うのか考えたがわからない。そのまま寝て、一晩寝たら、明け方にわかった。 「男が出てこない映画」だったのである。 「看護師ジョン」役でレニー・クラヴィッツがクレジットされているけれど、2シーンだけ、台詞もわずか。プレシャスの成長を暖かく見守る「いい人」という記号的なかたちでしか物語に関与しない。 プレシャスのあこがれの数学の先生も、プレシャスを意味もなく突き飛ばす暴力的なストリートキッズたちもいずれも、人間な深みのない図像として記号的に処理されている。 一家の不幸そのものの原因であり、

  • 従者の復讐 - 内田樹の研究室

    取材で鳩山政権の迷走について訊かれる。 どうして日政府はアメリカに対して毅然とした態度が取れないのかというお訊ねである。 メディアは単純に「それは総理が無能だから」という属人的な説明でケリをつけようとしている。 もちろん統治者の資質が外交の成否に深く関与するのは事実である。 だが、現在の日のメディアの、すべての政治的できごとの成否を属人的な能力によって説明するスキームの定型性に私はいい加減うんざりしている。 たしかに、外交がうまくいっていないという事実に為政者の個人的能力はふかく関与している。 けれども、それが「外交の失敗のすべての理由である」としてそれ以上の吟味を放棄するのは、思考停止に等しい。 歴代の統治者たちが組織的にある外交に失敗するとしたら、それは属人的な要素によっては説明できない構造的な問題があるのではないか、と考えるのが科学的な考え方である。 日のジャーナリストには、こ

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    gouk 2010/04/09
    この発想はなかったが、あらゆる場面において非生産的である理由は説明出来るな。自立しようよ・・//人はもっと、負の連鎖の断ち切り方について真剣に考えた方が良い気がする(その為にはまずは気づきだが
  • ああ、疲れた - 内田樹の研究室

    ああ、疲れた。 センター入試が終わって、家に戻って、焼きそばを作ってべて、ビールで流し込んだら、猛烈に眠くなって、10時半にベッドに潜り込んで寝てしまった。 さすがに疲れます。 センター入試のミスは翌日には新聞報道され、ひろく天下の知るところとなる。 そして、「ミスの種子」にはそれこそもう天文学的な数のパターンがあるのである。 昨日は「汚損答案」の処理について、ひとしきり議論がなされた。 汚損答案というのは、問題を解答しているうちに、なんらかの理由でマークシートが汚れて、読み取りに支障が出そうな場合、解答用紙を交換することである。 試験終了10分前までなら用紙を交換して、転記してもらう。試験終了後は受験生はもう用紙には触れないので、「汚損答案」というものは発生しないはずなのだが・・・ 「たとえば、そのとき鼻血がブッと出て、答案にこぼれた場合」とか「興奮のあまり、答案用紙にゲロを吐いてしま

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    gouk 2010/01/18
  • 配偶者の条件 - 内田樹の研究室

    金曜日。朝、記念賞授賞式。うちの黒田くんが賞をもらったので、お祝いに行く。 大野篤一郎名誉教授による「セネカの幸福論」という講演がある。 ひさしぶりの大野先生のお話を聴く。 どこから始まりどこに行くのかわからない哲学的知性の遊弋。 忘れられかけた「古き良き大学」の空気が大野先生の笑顔から感じられる。 基礎ゼミでは「友人と恋人はどう違うか?」というお題。 おもしろい主題である。 これについては私見があるので、それを述べる。 「友を選ばば書を読みて、六分の侠気、四分の熱」という詩章がある。 知性、気づかい、向上心というようなものが友人を選ぶときの条件であるよということである。 では、配偶者の条件は何か。 与謝野鉄幹のこの「人を恋ふる歌」は広く人口に膾炙した「をめとらば才たけて、みめうるわしく、情けある」で始まる(男性配偶者の条件については言及していないが、同列に論じてよい)。 はたしてこれは

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    gouk 2009/10/19
    配偶者の条件、すごく当たり前のことだと思ってた。というか、そうでない関係は自尊心や欲心との闘いになっちゃって不毛なんだよね。個人的には、そこで闘う気はありませんって常々言ってきたけど理解されなかった
  • 増子化対策 - 内田樹の研究室

    共同通信の取材。 テーマは少子化・未婚化・婚活。 同じテーマで何度もしゃべっている。 同じことを何度も書くのも疲れるけれど、基的なことなので、繰り返す。 「少子化問題」というものは存在しない。 例えば、新石器時代に「少子化問題」というものは存在しなかっただろう(その時代に生きたことがないので想像だが)。 その時代の集団において、「最近、みんな結婚しないし、子供が生まれないのはまことに困ったことだ」というような問題があったとは思えない。 そんな問題をかかえた集団は数世代で(はやければ一世代で)消滅してしまったはずだから、そもそもそれが「問題」として意識される暇さえなかった。 「親族を形成する」というのは人間が人間である基礎条件の一つだからである。 それは「労働する」とか「言語を話す」ということとほとんど同レベルの「当為」である。 「最近、みんな労働ないので、困ったものだ」というような悠長な

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    gouk 2009/09/14
    その仮説だと外国でも少子化が進んでないといけないよね。もっともこのまま増え続けたら、水・食料争奪戦とか起こりそうだ、とは思う。でも、日本の少子化問題はそこじゃないと思うよ・・・
  • 「内向き」で何か問題でも? - 内田樹の研究室

    先日、苅谷剛彦さんと対談したときに、日のように「国内に同国語の十分なリテラシーをもつ読者が1億以上」というような市場をもつ国は世界にほとんど存在しない、ということを指摘していただいて、「ほんとにそうだよな」と思ったことがある。 「国内に同国語の十分なリテラシーをもつ読者が一億以上」いるということは、言い換えると、「日語を解する読者だけを想定して著作や出版をやっていても、飯がえる」ということである。 日人が「内向き」なのは、要するに「内向きでも飯がえる」からである。 「外向き」じゃないと飯がえないというのは国内市場が小さすぎるか、制度設計が「外向き」になっているか、どちらかである。 どうしてそんなことを考えたかというと、テレビ政治討論番組で「フィンランドに学ぶ」という特集をしているのを横目で見ていたからである。 フィンランドはノキアという携帯電話のシェア世界一のブランドを有して

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    gouk 2009/01/05
    内を食いつくしたので外に行きます→しかしノウハウがない、という状況を「だから言ったのに」と罵るのも変だし「そのままでいいじゃない」というのも変ではある//ノウハウないなら1から頑張れとは言わないプライド?
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