2016年に入り、原油価格の下落が止まらない。エンドユーザーにはありがたくも、好燃費を売りにするクルマメーカーにとっては死活問題か。日米欧の市場の違いを探る。 Text: Mitsuhiro Kunisawa Illustration: Pierluigi Longo, Naoki Shoji (portraits) 新型プリウスは発売前に5万台の受注を受け、発売後1カ月で5万台売れたという。月販目標(生産能力と考えていい)1万2000台程度だったため、増産体制を組んでも納期最短で5カ月。グレードによっては8カ月という状況になっている。一般的に「申し分のないスタートを切った」という評価になることだろう。ならば新型プリウスは世界的規模で勝てるだろうか? 意外なことに海外の反応を見ると、あまり盛り上がっていない。 一番の逆風が「ガソリンの値下がり」のようだ。プリウスにとって日本と並ぶ重要な市場