白バラ 象牙のようにしなやかで、花びらが鋭い刃のように渦を巻く小さな白バラ。まるで芸術品のように、気高き宝石のように、仕立てられた美しい白バラ。さて、この白バラはどこから出てきたものでしょうか? 答えはこちらでございます 出奔から戻った火宅のダイちゃんの胃には栓がされていたそうですけれど、うちのご隠居しーちゅけの膀胱には薔薇が一輪咲いておりましたのよ。そう、この白バラは(し)の膀胱より摘出されたシュウ酸カルシウム結石でございます。角度を変えてごらんくださいませ 今は乾燥して、一回りほど縮み、色も乳白色へ変化いたしましたけれど、摘出した時点ではキラキラ透き通った、それはそれは美しい結晶でした。槍の先のような小さな結晶が集まって渦を巻き、その威力を高めるように右巻き、左巻きが交互に重なり、真っ赤な血しぶきがバラの刃を染めておりました こんなバラの刃ドリルが、(し)の膀胱を転がっていたのですから