東京都知事選(7月7日投開票)の争点の一つに、明治神宮外苑(新宿区など)の再開発事業が浮上している。外苑の樹木の伐採が主な論点で、主要候補者の意見は割れているものの、神宮内苑の「100年の森」の樹木と混同していると受け取れる発言もある。再開発は民間事業のため、都が現在、事業者側に求めている樹木保全策が提出されれば事業を止めることは困難な状況だ。 内苑と外苑明治神宮外苑の再開発は、神宮球場と秩父宮ラグビー場の場所を入れ替えて新築し、商業施設などが入る高層ビル2棟を建設する計画。工事に伴い、外苑の「シンボル」である4列のイチョウ並木を保全しつつ、その他743本の樹木を伐採する。 再開発は、事業者の一つである宗教法人明治神宮の運営を維持する目的もある。神宮内苑(渋谷区)の公益事業は、外苑にあるスポーツ施設などの収益で成り立ってきた。このため老朽化が進む外苑内の施設の建て替えは急務となっている。