糸井重里(いとい・しげさと) 1948年生まれ。コピーライター。ほぼ日刊イトイ新聞、主宰。作詞、ゲーム制作など、多岐にわたり活動。98年6月に毎日更新のウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を立ち上げてからは同サイトでの活動に全力を傾けている。最新刊に、早野龍五氏との共著『知ろうとすること。』(新潮文庫)、『ぼくの好きなコロッケ。』(東京糸井重里事務所)などがある。(写真:大槻純一、以下同) 糸井重里(以下、糸井):けっきょく、いくらインターネットで世界がつながったように見えても、自分の生存範囲の中にしか、人生ってないんですよね。一見、世界各国を飛び回ってる人でも、彼は彼の範囲内で生存してるわけです。昔、永ちゃん(矢沢永吉)が言ってました。「矢沢永吉だからって、ミカン1個まけてくれないのよ」って。数万人が熱狂するステージに立つ人でも、近所の八百屋さんで買い物するときの500円は、他の人と一緒の