自伝本『屈折くん』を出版した人間椅子の和嶋慎治氏。幼少期、青年期、デビューから売れない時期だけではなく、女性関係についても赤裸々に描かれていることで話題を呼んでいる。なぜここまで明かすことを決意したのか、著者の和嶋氏に聞いた。 ――本書は、とても生々しさのある内容でした。 和嶋:音楽でも文章でも、僕の作品ですから、やはりスタンスは同じです。一般的なアーティスト本とか、売れている方の本というのは、おそらくここまでプライベートを書く必要はないと思うんですよ。それこそ、誰もが憧れてしまうようなサクセスストーリーであったり、才能やカリスマのきらめきであったりを盛り込んで、読む人に夢を与えるような内容になると思う。その点、僕の本はこの上なく、ウェットですからね。ウジウジとしていて、しみったれたことばかりが書かれている。でも、それが僕のバンド生活でしたから、取り繕っても仕方がない。 ――率直ですね。