ブックマーク / cruel.hatenablog.com (63)

  • お願い? およびSNS革命など雑感 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    動員の革命 - ソーシャルメディアは何を変えたのか (中公新書ラクレ) 作者: 津田大介出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2012/04/07メディア: 新書購入: 4人 クリック: 165回この商品を含むブログ (35件) を見る(※上のは記事とは関係ありません。) お願い、なの? ツイッターでエゴサーチをしたら、こんなツイートがあった。 これのトラックバックを山形浩生氏の「書評」に送ったのですが表示されません。表示して下さいとお願いするコメントも投稿したのですが、認可してくれません。きっとお忙しいのでしょう。 これ、しばらく前に酷評したウォール街占拠の訳者からのものだ。お願いされていたとは知らず、見に行ったらその「お願い」とはこんなものでした。 何かの手違いだったら失礼するが、せっかくあなたにも読んでもらおうと思った記事のトラックバックが、表示されません。「反論権」及び「対

    お願い? およびSNS革命など雑感 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    gryphon
    gryphon 2012/10/30
    『ツイッターやSNSを活用し…成功させましたという事例はある。でも似たようなことを…失敗した事例は無数にある…成功例ばかり・・・失敗例との比較と要因抽出をきちんとやった文献は、ぼくはあまり見たことがない』
  • トウェイツ『ゼロからトースターを作ってみた』:よい子は真似しないように……いやしたほうがいいかな? - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ゼロからトースターを作ってみた 作者: トーマス・トウェイツ,村井理子出版社/メーカー: 飛鳥新社発売日: 2012/09/14メディア: 単行購入: 35人 クリック: 2,808回この商品を含むブログ (20件) を見る タイトル通りの代物。ゼロからトースターを作る。それだけ聞くと、簡単そうだ。ニクロム線買ってきて、平たい耐熱絶縁体に巻いて、トランスかませてコンセントにつなげばいいんじゃない? でもこのはそれをはるかに超えることをやっている。市販のパーツを組み立てるだけじゃない。そのパーツそのものも作ろうとする。金属部分は実際に鉄鉱石を掘り起こして精錬するところからやる(やろうとする)。絶縁体の雲母を実際に掘り起こす! プラスチックを作ろうとして原油入手に奔走! それも古い手動のトースターでなく、ポップアップ式のトースターが作りたいとのことで、相談する先々で呆れられ…… 結局のとこ

    トウェイツ『ゼロからトースターを作ってみた』:よい子は真似しないように……いやしたほうがいいかな? - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    gryphon
    gryphon 2012/10/06
    「ゼロからトースターを作る。それだけ聞くと、簡単そうだ・・・(略)でもこの本は・・市販のパーツを組み立てるだけじゃない。そのパーツそのものも作ろうとする。金属部分は実際に鉄鉱石を掘り起こして…」
  • いま訳してる本ときたら…… - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    超分厚いアカの専制君主シリーズの最新作を訳し終えて、その次に訳しているはとっても薄くてありがたい。ありがたいんだが…… 行動心理学の教祖様みたいな人の古いなんだが、面倒くさくてたまらん。行動心理学なので、この人は基的に心とか内面とか感情とかいうものを認めない(当人は行動心理学という呼び方すらしない。行動科学だ)。だって、そんなもの見えないでしょ。他人が観察できないでしょ。そんなの科学で扱うべきものじゃないよ、と言って。見えるのは行動だけであり、行動が刺激によってどう強化されるか、というのを科学は考えなくては、と。 それは主張としてはたいへんよくわかる。が…… その人は極端で、それを表現でも徹底しようとする。可笑しい、というのはダメ。だってその人が可笑しく思ってるかどうかは、外からは観察できないから。外から観察できるのは、その人が笑ったという行動だけ。可笑しいというのは、笑うという行動

    いま訳してる本ときたら…… - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    gryphon
    gryphon 2012/10/06
    落語にできそう、という変な感想を持った(「しの字嫌い」からの連想だな)。或いは筒井康隆「残像に口紅を」や「幽々白書」のアレ。
  • 『ギャルと不思議ちゃん』の続き - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ギャルと不思議ちゃん論―女の子たちの三十年戦争 作者: 松谷創一郎出版社/メーカー: 原書房発売日: 2012/08メディア: 単行購入: 22人 クリック: 876回この商品を含むブログ (19件) を見る 先日、松谷『ギャルと不思議ちゃん』について、批判的な書評を書いたところ、はてブでこんなコメントがついた。 結論やメッセージがあったらどうだって言うんだ?地図や年表には意図があるのか? ある一定ジャンルの期間をそれなりに客観的に俯瞰して眺められる体験は、それなりに有益だと思うが?関係を示唆するのも十分に主張 さて……この人はぼくと意見がちがうつもりで、おそらくはあまり変わらない。ぼくは上のコメントで「それなりに」が繰り返されているのがおもしろいと思う。「それなりに」有益だとは思う一方で、この人はやっぱり、それなりの有益さでしかないと思っている。これはぼくが昨日の書評で述べている、「労

    『ギャルと不思議ちゃん』の続き - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    gryphon
    gryphon 2012/09/21
    『なぜそのデータが重要なのか? なぜそれを調べる必要があるのか? そこからどんな知見が得られるはずだと思うのか』
  • 松谷『ギャルと不思議ちゃん論』:労作ながらジャンル内だけに閉塞 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ギャルと不思議ちゃん論―女の子たちの三十年戦争 作者: 松谷創一郎出版社/メーカー: 原書房発売日: 2012/08メディア: 単行購入: 22人 クリック: 876回この商品を含むブログ (19件) を見る サブカル内での棲み分けや派閥の抗争、重なり具合に関する、半ば自虐的、半ばナルシスティック、半ば自己参照的な論というのはたくさんある。おたくとナードとギークとジョックとゴスとパンクとチア系といじめっこといじめられっ子の相互力学は、アメリカの高校ドラマの永遠のテーマだ。 なぜそれがドラマのテーマとして成立するかというと――そのドラマの想定視聴者は全員、その力学内に身をさらしたことがあるからだ。だからそれを戯画化し、誇張し、細部を捉え、定式化すると「ああ、あるある」「そう、ああいうヤツ、いたよねー」という共感の基盤となる。 でも、それは基的には意匠だ。ドラマがドラマとしておもしろくなり

    松谷『ギャルと不思議ちゃん論』:労作ながらジャンル内だけに閉塞 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    gryphon
    gryphon 2012/09/21
    この前「スクールカーストの語源」を書いたときに参照した本だ。21日現在、この記事から「丁寧に調査した結果から何が見えるか?」という問題を論じた、続編記事が載っている。
  • 伊藤『屍者の帝国』:バロウズできましたか。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    屍者の帝国 作者: 伊藤計劃,円城塔出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2012/08/24メディア: 単行購入: 43人 クリック: 1,717回この商品を含むブログ (191件) を見る 病床の伊藤が行動記録クリーチャーのフライデーを使って書いた絶筆。その意味で、書は現実を模倣するものでもある。 伊藤はぼくの関心をかなりなぞっているし、今回も意識の話だというのは聞いていたけれど、まさかまったく別のぼくの関心のほうまで拾ってくれるとは思わなかった。バロウズの座右の銘:Language is a virus from outer space. あるいはもっと正統SFファンなら、アミガサタケの話とでも言おうか。ありがとう。でもそれを核に据えたために、当の創発的な意識のあり方についての考察が迂回されてしまったのは、ちょっと残念。が、一方でゾンビというものについて、非常におもしろい

    伊藤『屍者の帝国』:バロウズできましたか。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    gryphon
    gryphon 2012/09/13
    おお、山形浩生が伊藤計劃,円城塔の「屍者の帝国」を論ず。(本格的な書評は雑誌に載せており、これは簡略版らしい)
  • マーティン『北朝鮮「偉大な愛」の幻』(下):下巻はトピック中心のまとめ。その後の各種文献登場で目新しさには欠けるし、一部はすでに古いが、流し読みする価値はある。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    北朝鮮「偉大な愛」の幻 下巻 作者: ブラッドレー・マーティン,朝倉和子出版社/メーカー: 青灯社発売日: 2007/04/03メディア: 単行購入: 10人 クリック: 27回この商品を含むブログ (3件) を見る 下巻。下巻は上巻での歴史的なおさらいを終えて、いろんな亡命者を中心に現在(というのは2004年あたり)の状況をテーマ別に描いている。若者の状況、産業、収容所、核開発、メディア対策、そして最後にはジョンイルくんの後継者問題。 ここらへんの話は、書の後にもっともっとたくさんいろんな文献が出てきている。『北のサラムたち』は北朝鮮の人々の心のゆがみすら垣間見せてくれた、名著としての価値を未だに失っていないと思うし、ディエゴ・ブニュエルの Don't tell my mother をはじめ、実際にカメラが北朝鮮に入ってあれこれ取材をしたのも増えてきた。その意味で、書の記述はいまで

    マーティン『北朝鮮「偉大な愛」の幻』(下):下巻はトピック中心のまとめ。その後の各種文献登場で目新しさには欠けるし、一部はすでに古いが、流し読みする価値はある。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    gryphon 2012/07/21
    『これを見ると、テリー伊藤「お笑い北朝鮮」が実はかなり画期的な本だったことは改めてよくわかる。1993年、この本の十年前に、あれだけの突っ込みができたとは。』
  • マーティン『北朝鮮「偉大な愛」の幻』(上):長いがおもしれー。しかし後半はどうなるのやら。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    北朝鮮「偉大な愛」の幻 上巻 作者: ブラッドレー・マーティン,朝倉和子出版社/メーカー: 青灯社発売日: 2007/04/02メディア: 単行購入: 14人 クリック: 577回この商品を含むブログ (3件) を見る 北朝鮮建国から、金日成の生涯をかけぬけて、ジョンイルくんの半生のところまでやってまいりました。上下巻のすごい長いで、上巻を読み終えたばかりだけれど、たいへんにおもしろい。前半は高密で、最初の150ページほどで朝鮮戦争が終わってしまったときには、この後ネタが残っているかかなり心配になったんだけれど。 もちろん、北朝鮮の建国神話では金日成がとにかくありとあらゆることで英雄的な活躍をして、白馬にまたがりゲリラを指揮し、という荒唐無稽な話になっているのはご承知の通り。書はそれをざっと見直して、いまの捏造ぶりはあまりにひどすぎることは指摘しつつも、金日成がそれなりに才覚を持って

    マーティン『北朝鮮「偉大な愛」の幻』(上):長いがおもしれー。しかし後半はどうなるのやら。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    gryphon 2012/07/16
    今日、三代目の軍の最側近が失脚したという報道があったが・・・
  • 金『北朝鮮建国神話の崩壊』:インタビューや資料の追跡などのプロセスはおもしろい。ただ、明らかになる内容が必ずしも衝撃というわけじゃなくて…… - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    北朝鮮建国神話の崩壊―金日成(キムイルソン)と「特別狙撃旅団」 (筑摩選書) 作者:金 賛汀筑摩書房Amazon 実は下のマーティンを読み始めたのは、このを読んで、ここに書いてあることがどこまで目新しいのか確認したかったから。このは、北朝鮮の建国神話の一つ、金日成が偉大なゲリラ闘士として活躍する中で、白頭山でジョンイル将軍様がお誕生あそばされました、という話を検証し、当時の金日成の満州やイルクーツクといった地域での「狙撃団」の活動を、生存者へのインタビューや資料を通じて確認したもの。 で、もちろん白頭山で生まれたなんていうのはウソ。ジョンイルくんに、乳の出が悪かった母親にかわっておっぱいあげた人物とかまで登場してびっくり。当時の金日成は中国共産軍や特にソ連の配下にある下っぱの一人でしかなくて、伝記に書かれている英雄的な活躍なんかとうていできるはずがなく、実際にしていない、という話。著者

    金『北朝鮮建国神話の崩壊』:インタビューや資料の追跡などのプロセスはおもしろい。ただ、明らかになる内容が必ずしも衝撃というわけじゃなくて…… - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    gryphon 2012/07/14
    「平壌クーデター計画」という佐藤大輔の架空戦記では、北で金正日に批判的な人々は、彼のことをロシア名(というか本名)の「ユーラ」と呼んでいる・・・という描写があったな。
  • [書評]ヤスミナ『テロル』:すばらしい。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    テロル (ハヤカワepiブック・プラネット) 作者: ヤスミナ・カドラ,藤優子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2007/03/23メディア: 単行購入: 29人 クリック: 1,873回この商品を含むブログ (33件) を見る 文学は死んだとか生きているとか半死半生だとか復活したとか、いろいろ言われる時代に、書のように何のてらいもない、骨太の真正面からの文学を読まされると、当にうちのめされたような気分になる。 何のてらいもない、と書いたけれど、いま先進国の多くの文学は、そのてらいだけで成立している。変な技法、自己参照、書くべき問題がないことを延々と書くような自慰的な耽溺。それはそれでおもしろいこともあるんだが、やはりそれだけのものでしかない。 書はまったくちがう。イスラム圏の近代化と伝統、パレスチナとイスラエル、そして女性の地位その他の問題を見事にからめつつ、怪しげな技法に

    [書評]ヤスミナ『テロル』:すばらしい。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    gryphon
    gryphon 2012/07/12
    『近代化した生活を送る主人公の妻が自爆テロの実行犯となる。なぜ?? その背景をつきとめようとする主人公は、近代、イスラム、パレスチナ問題、自由、女性といった問題に否応なく直面せざるを得なくなる』
  • 垂水『進化論の何が問題か:ドーキンスとグールドの論争』:グールドに甘すぎると思うし、結局「どっちもえらいんです」でなあなあに丸め込むのはつまらなすぎ。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    進化論の何が問題か―ドーキンスとグールドの論争 作者: 垂水雄二出版社/メーカー: 八坂書房発売日: 2012/05/01メディア: 単行購入: 1人 クリック: 313回この商品を含むブログ (6件) を見る ドーキンスとグールドは対立することもあったが、どっちも進化論を重視し、創造論に反対し、論争も切磋琢磨しあうものだったんですよ、という。垂水の訳した、ステレルニー『ドーキンス対グールド』(失敬、これは別の訳者だった)でだいたい話は尽きていたと思うし、あれでもやたらにグールドに甘いと思ったんだけれど、書はそれに輪をかけて激アマ。 たとえば9章では、グールドがきわめて悪質な議論で社会生物学を潰しにかかった話が挙がるんだけど、結局「アメリカではまあ優生学とか遺伝とか人種差別話に結びつきやすいから」という話をするだけ。で、それでグールドのやり口はオッケーとされるべきなの? 書はそこら

    垂水『進化論の何が問題か:ドーキンスとグールドの論争』:グールドに甘すぎると思うし、結局「どっちもえらいんです」でなあなあに丸め込むのはつまらなすぎ。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    gryphon
    gryphon 2012/05/28
    グールドって「人間のはかりまちがい」の著者だよね?社会生物学が『政治的に正しくない』という観点から批判されるのは確かにマズい
  • ウォールセン『バイオパンク』:新ジャンルに取り組むアマチュアたちの挑戦とその障害をまとめた、わくわくする本。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    バイオパンク DIY科学者たちのDNAハック! 作者:マーカス・ウォールセンNHK出版Amazon 遺伝子組み換え、と聞いただけで怖じ気づく人は多いが、その恐ろしい遺伝子組み換えを、いまやそこらのホビイストが平気で始めている。書はその動きや遺伝子組み換えホビイストたちの実像を描き出すとともに、それに伴う懸念や規制の動きを述べつつも、最後には希望を描く、先駆的なだ。 そもそも生命の核心たる遺伝子にマッドサイエンティストじみた科学心を刺激される人は多い。そして高価だった遺伝子組み換え用機器は、安くなって中古品も増えた。各種の遺伝子配列情報も容易に入手できる。すでに技術的、価格的には個人でも十分に手が届くのだ。 それがバイオ技術の突破口になるのでは? 金と時間に縛られる商用バイオ技術(期待ほどの成果はない)に対し、制約のないホビイストは、意外な性質や用途を見つけるかもしれない。かつての無線や

    ウォールセン『バイオパンク』:新ジャンルに取り組むアマチュアたちの挑戦とその障害をまとめた、わくわくする本。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    gryphon
    gryphon 2012/04/23
    そうか遺伝子組み換えの器具・設備はアマチュアでも入手・使用可能なレベルか。当初は「神の領域を侵す」とされた人工授精だって、「銀の匙」で分かるように牛豚では農業高校生の科目になってるもんなあ。
  • ポズナー&ロスバート『脳を教育する』:いい本だが専門的。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    脳を教育する 作者:ポズナー,マイケル・I.,ロスバート,メアリー・K.青灯社Amazon 装幀やタイトル表紙は結構通俗科学書に見せようとしているけれど、かなり専門的。第一章は、ずっと氏か育ちかの議論の紹介に費やされ、第二章は、脳の活性部位を同定する方法の歴史技術をおさらい。いろいろ基礎固めが長くて、なかなか論に入らない。 その後も、いろんな研究の成果を細かく追っていくため、話がなかなか見えない。エピソード → 学問的な知見 → 異論とその否定 →まとめ、という通常の通俗書の流れがまったくない。で、帯には「読み書き算数教育の抜的見直し」とあるけど、言っていることはあんまり抜的には思えないんだが…… 個別の観察や研究の成果はとてもよくて、その位置づけなんかも、うまくまとまってると思う。全体にとてもよい。ただ書きぶりが専門的にすぎる。これを一般の人が読み始めたら、すぐに飽きると思う。

    ポズナー&ロスバート『脳を教育する』:いい本だが専門的。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    gryphon
    gryphon 2012/04/19
    こういう本で「インチキでない」だけでも貴重のような(笑)
  • シュナペール『市民権とは何か』:アメリカもっと調べたらよいのでは? - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    市民権とは何か 作者: ドミニク・シュナペール,富沢克,長谷川一年出版社/メーカー: 風行社発売日: 2012/01メディア: 単行購入: 1人 クリック: 39回この商品を含むブログ (3件) を見る 結論を見よう。冒頭にこうある。 この十年ほどの間に「市民」と「市民権」という言葉はなぜこんなにも広く普及し、ついには私たちの心にしっかり定着するに至ったのか。 これを見て、ぼくはこれがすごく古いの翻訳なのかと思って、あわてて奥付を見直したんだけれど、2006年のなんだよねー。「この十年ほど」??? いや、まずぼくとは世界認識がちがうみたい。 書は、市民権概念の歴史みたいなものを延々と(数十ページにもわたる文献の引用をたくさん散りばめて――おかげですごく読みにくい)解説する。それで市民権についていろんな考え方があって批判もあるよ、というのをまとめる。あんまりまとまらず羅列に終わってい

    シュナペール『市民権とは何か』:アメリカもっと調べたらよいのでは? - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    gryphon 2012/04/09
    「国単位の市民からヨーロッパ単位の市民意識への推移を考えるなら、アメリカにおける州レベルの市民意識からアメリカという国レベルでの市民意識への変化がどうやって起こったかをもっときちんと見るべきじゃ」
  • カプシチンスキー『皇帝ハイレ・セラシエ』:淡々とした側近の談話で紡がれる皇帝の晩年。おもしろさは太鼓判だが時代背景とその後の歴史は予習必須。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    皇帝ハイレ・セラシエ―エチオピア帝国最後の日々 作者: リシャルト・カプシチンスキー,山田一廣出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1986/03メディア: 単行購入: 1人 クリック: 84回この商品を含むブログを見る うーん。実におもしろいんだが…… これは発刊当時は、どういうふうに読まれたんだろう。皇帝独裁が終わり、軍政から社会主義政権になる過程で粛正前の密告合戦が始まった頃に原著は出ている。いま、アジスアベバに行くと Red Terror Museum がかなり最近に建設されていて、その後の社会主義時代の状況がいかに恐ろしかったかが結構如実にわかる。 書が取材されて書かれたのはちょうど軍政の終わりくらい。書は、軍政の恐ろしさと皇帝時代のひどい状態をあわせて描くことで、その後の粛正と弾圧の恐ろしい社会主義政府にお墨付きを与える機能を果たしたんじゃないか。 書は、エチオピア最後

    カプシチンスキー『皇帝ハイレ・セラシエ』:淡々とした側近の談話で紡がれる皇帝の晩年。おもしろさは太鼓判だが時代背景とその後の歴史は予習必須。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    gryphon
    gryphon 2012/04/03
    あの人物の伝記か。昭和天皇も、この人物の運命には関心を寄せていたという話も聞く。
  • 井手「ニューロポリティクス」:MRIで政治的指向を分析というが、「政治」に到達していないんじゃないか。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ニューロポリティクス―脳神経科学の方法を用いた政治行動研究 作者: 井手弘子出版社/メーカー: 木鐸社発売日: 2012/03メディア: 単行購入: 1人 クリック: 24回この商品を含むブログ (3件) を見る なぜか、このアマゾンで扱ってなくて、ここに出てこないんだけれど、井手弘子『ニューロポリティクス』(木鐸社)。アマゾンに出てこないのは、店頭に長く置かせるためのこそくな工作として出版日を先に設定してしまう場合のときもあるんだが、これは2月刊でそういうわけでもなさそう。(なんか発売日が実物とかなりちがって登録されていた模様。の奥付では2月末巻だが、アマゾンでは3月末刊になっている) さて、ぼくが初めて訳した普通の単行はティモシー・リアリー『神経政治学/ニューロポリティクス』だったので、同じタイトルのなのでちょっと懐かしさもあって手に取った(もっともリアリーのほうは、頭痛がす

    井手「ニューロポリティクス」:MRIで政治的指向を分析というが、「政治」に到達していないんじゃないか。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    gryphon
    gryphon 2012/03/13
    「書評にはとりあげません。が、ダメというわけではなく、地道にやってくれると将来的に何か芽がでるかも」<そうそう、この実験の末に「結論。脳を調べても政治傾向無関係だわ」でも、それは大成果。
  • 長山靖生『戦後SF事件史』:なんだ、ぼくが一回も出てこない事件史なの? - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    戦後SF事件史---日的想像力の70年 (河出ブックス) 作者: 長山靖生出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2012/02/11メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 2人 クリック: 122回この商品を含むブログ (34件) を見る なんだ、戦後 SF 事件史で、愛国戦隊大日とかにも触れてて、ぼくが一回も出てこないの? つまんなーい。ちなみにこの、しょせんは戦後「日SF「業界」事件史なんだよね。 が、それ以上にぼくががっかりしたところは、書の最後。東北震災と前後して小松左京が死んだことに触れて「日は今、もっとも必要な人材を失ったのである」(p.271) と述べて、SF 的な想像力こそが震災からの復興に大きく役立つはずだ、とまとめている。 小松左京的な構想力のかつての意義とその現代的な課題については、イナバ、田中、山形の SF 鼎談でかなり語った。そしてそこでも指摘

    長山靖生『戦後SF事件史』:なんだ、ぼくが一回も出てこない事件史なの? - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    gryphon
    gryphon 2012/03/05
    エントリのタイトルがいいやね。
  • 岸田秀『嘘だらけのヨーロッパ製世界史』:あきれた。こんなトンデモ妄想垂れ流し読んで目が穢れたぜ。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    嘘だらけのヨーロッパ製世界史 作者:岸田 秀新書館Amazon黒いアテナをネタに、岸田がどうしようもない歴史妄想を垂れ流すだけの、ホンッと情けない。なんでも、アフリカではみんな黒人だったんだけど、その中に白人が生まれたので差別されちゃって、それでその人たちはアフリカを逃げてヨーロッパにでかけたんだって。だからいまの白人はその時のうらみで、仕返しに黒人差別するんだってさ。 あほくさ。 「黒いアテナ」は、エジプトもギリシャもあれもこれもみんな黒人が作った文明で、そうでないというやつはみんな(意識的か無意識的かを問わず)人種差別屋だというトホホな……ではなく、ギリシャ文明も独自でいきなり成立したのではなく、アフリカなどからの影響を受けつつ成立したものだよ、というもの。一部ではトンデモ扱いされているけれど、でも一応、それなりに研究の体裁にはなっていて、反論とかも出ていてまあまあ学問的な議論の

    岸田秀『嘘だらけのヨーロッパ製世界史』:あきれた。こんなトンデモ妄想垂れ流し読んで目が穢れたぜ。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    gryphon
    gryphon 2011/12/25
    「黒いアテナ」って自分は2004-06年ごろ、町山智浩氏のブログで肯定的(というより断定的)に紹介されたのを読んだと記憶してるが、検索しても出てこないから記憶違いだったのかな?
  • フランク「アンネの日記」:やはりモノにはそれに適した年齢があると思う。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    アンネの日記 増補新訂版 作者: アンネフランク,深町真理子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2003/04/08メディア: 単行購入: 1人 クリック: 48回この商品を含むブログ (34件) を見る 言わずと知れたアンネの日記。こないだアムステルダムに行ったとき、いつも長い行列ができているアンネの家にスッと入れたので見物したついでに、そういえばなぜかアンネの日記って読んでなかったなあ、と思って義務的に。 で、考えて見ればあたりまえだが、収容所に入ってからの話はないんだよね。ユダヤ人への迫害が強まる中でこっそり暮らしつつ、メインはふつうの女の子らしい日常の苦労が延々綴られる話。アンネの年齢から見て、よく書けていると思う。世を忍んで生きねばならないつらさも、確かに感動する部分はある。でもやはりこれは、最後につかまって殺されてしまったという悲しい結末をみんな知っているからこそ読むで、

    フランク「アンネの日記」:やはりモノにはそれに適した年齢があると思う。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    gryphon
    gryphon 2011/12/01
    「名作テレビドラマ My So Called Lifeで、主人公の高校生がこの本の感想文を書く回があって、「アンネがうらやましい、あたしもアンネみたいになりたい」と書いて学校がそれを大問題にして、親が呼びつけられ…」
  • シュライバー『失われた私』:インチキだと知って読むと、読むにたえないシロモノではある。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    失われた私 (ハヤカワ文庫 NF (35)) 作者: フローラ・リータ・シュライバー,巻正平出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1978/09メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 110回この商品を含むブログ (6件) を見る 有名な、16の人格が同居していたと称するシビルの治療記。こいつが売れたおかげで、全米に多重人格を自称する連中がウンカのごとくに湧いてきたという。 先日、このの検証を行った「Sybil Exposed: The Extraordinary Story Behind the Famous Multiple Personality Case」というが出て、功名心にはやる倫理観のない医者と、スクープしたいジャーナリストと、しばいっけが強く自分を特別だと考えたい患者の共謀(意識的、無意識的かを問わず)によるまったくのインチキ、という審判が下っている。催眠術にかけて

    シュライバー『失われた私』:インチキだと知って読むと、読むにたえないシロモノではある。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    gryphon
    gryphon 2011/11/28
    「16人格が同居と称するシビルの治療記…この本の検証本が出て、功名心にはやる倫理観のない医者とスクープしたいジャーナリストと、自分を特別と考えたい患者の共謀(意識的、無意識的問わず)によるインチキと…」