オセアニアは日本の南、太平洋地域に広がる海洋世界で、大小あわせて2万をこす島々が散在する。メラネシアの一部の島では紀元前3万年をこすころから人間が居住を始め、色が黒くて髪が縮れているなどの特徴をもつオーストラロイドと呼ばれる人々が生活していた。この人々は島と島の距離が近いニアーオセアニア(ソロモン諸島まで)に居住しており、旧石器文化段階の採集狩猟生活を営んでいた。 紀元前1300年ごろに、東南アジア島嶼部からモンゴロイド系のオーストロネシア語を話す人々が拡散してきた。ラピタと呼ばれる美しい土器を作ったこの人々は、タロイモやヤムイモなどの根裁農耕を行い、イヌ、ブタ、ニワトリの家畜も飼っていた。この人々は帆のついたアウトリガーカヌーをあやつり、オセアニア全体に広まっていった。 オセアニアは周囲を海で囲まれ、資源的な制約の多い島嶼環境であることに特徴がある。人間が一定の自然環境のなかでどのように