相模鉄道は電化後、国電の戦災復旧車や旧大東急の旧型車、63系電車を導入しましたが、戦後復興がひと段落した1955~60年にかけて日立製作所で製造された画期的な新性能電車がこの5000系(初代)です。 直角カルダン駆動、電磁直通ブレーキ、MMユニットという当事最新鋭の機器を日本発となるボディーマウント式のモノコック車体に装荷した意欲的な設計でした。車体は初期車が17m、後期車が18m級の当時流行した湘南顔の3扉車体で青を基調とした複雑な塗りわけをしており、この塗装は1960年代の相鉄の標準塗装となりました。 このように意欲的な設計の本車は相模鉄道のフラッグシップとして活躍しましたが、高度経済成長による急激な輸送需要に対応できないのと老朽化が早く、強度上冷房化が困難なこともあり1972~75年にかけて5100系に機器を譲り全車廃車となりました。活躍の期間は短かったのですが、「直角カルダン駆動」