「おおすみ型」登場前の海自は、2,000トン級の低速輸送艦しか持っておらず、輸送力と高速航行力を兼ね備えた大型輸送艦を切望してました。そして、日本政府も1990年代のPKO派遣を通じて、外洋航行に適した大型輸送艦の必要性を痛感した結果、「おおすみ型」3隻の建造が認可されました。 それまでの海自輸送艦が海岸にそのまま乗り上げるタイプだったのに対して、「おおすみ型」は沖合に展開しつつ、LCAC舟艇や輸送ヘリを使った揚陸方法を採用しました。 特に、LCAC舟艇は最高時速92kmという快速を誇りながら、戦車1両または大型車両3〜4台を一気に海岸まで運べます。 LCAC(左)は輸送艦後部のウェルドックから発進する(右・赤丸で囲んだ部分) 出典:海上自衛隊、筆者加工 全体としては、陸上自衛隊の1個中隊に匹敵する約330名の人員を乗せて、長期航行に備えた居住スペースも確保されました。 一方、装備面では7