(1)筋・筋膜性歯痛 筋・筋膜性歯痛は顎を動かす筋肉に痛みを生じる場所があるのですが、歯の痛みとして感じることで生じる非歯原性歯痛です。簡単にいうと「筋肉痛からくる歯痛」です。これには「関連痛」といわれる現象を理解しておくことが重要です。 1)関連痛とは? 関連痛とは、「痛みの原因が生じた部位と異なる神経支配領域に感じられる痛み」と定義されています。痛みの発生源(疼痛発生源)としては、顎を動かす筋肉(咬筋、側頭筋など)、内臓(心臓など)、鼻腔(上顎洞など)、関節等があります。そして痛い部位(疼痛感受部位)が歯や歯ぐき等に生じる時に、歯や歯ぐきに異常がないのに痛む状況になります。そのメカニズムには諸説があり、いまだに十分に解明されている訳ではありませんが、脊髄のニューロンが関連しているといわれています。 2)筋・筋膜性歯痛の特徴 痛みを生じやすいのは、主に上下の奥歯です。どちらかというと漠然