九州の鉄道路線をまたも自然災害が襲った。7月3日からの活発な梅雨前線による大雨により、熊本県八代市と鹿児島県霧島市を結ぶJR肥薩線や、人吉盆地を走る第三セクター「くま川鉄道」の線路が被災。球磨川にかかる橋梁の流出といった甚大な被害が出ており、復旧に相当な時間がかかる見通しだ。 国土交通省や熊本県によると、肥薩線は1908年完成の球磨川第一橋梁(鎌瀬―瀬戸石間)、第二橋梁(那良口―渡間)が増水によって流されたほか、複数駅で線路が冠水した。 くま川鉄道は人吉温泉駅(JR人吉駅)に停車していた同社保有の車両5両すべてが浸水。同駅から延びる湯前線の球磨川第四橋梁(川村―肥後西村間)も流出した。「産交バス」人吉営業所では多数のバスが水没。「肥薩おれんじ鉄道」でも土砂流入や線路冠水の被害が出た。 SLも走る観光路線 肥薩線は八代―隼人間の全長124.2kmに及ぶ路線。全線が非電化のため、エンジンのうな