子育てにまつわる情報は世にあふれている。情報がありすぎて、かえって親は不安になることも多い。そもそも万人にあてはまる子育ての「正解」はない。しかし、「これだけは子どもに対してやってはいけない!」ということならある。それをまとめた1冊が『後悔しない子育て』である。著者の信田さよ子さんが初の子育て論を書いた背景には、「世代間連鎖」と「自己肯定感」という2つの言葉の広がり方への強い危惧があったという。 「世代間連鎖」は防げないという思い込み 最近は、カウンセリングに訪れる人はもちろん、一般の人も「虐待は世代間連鎖するんでしょう?」と当たり前のように語ります。 昔から誰もが「親に似る」「親の血を受け継ぐ」といった言葉を使ってきました。「あなたのああいうところはお父さんそっくりだね」「やっぱりお母さんの血を受け継いでるのね」というように、自分を説明するために遺伝的継承を持ち出すことは、日常よくあるこ