【上栗崇、北川慧一】NECは31日、スマートフォン事業から撤退すると発表した。従来型の携帯電話は当面つくるが、携帯部門の人員は900人から150人に減らす。パナソニックも個人向けスマホから撤退する検討に入った。急成長するスマホ市場で、米アップルなどに押される国内勢の淘汰(とうた)が本格化している。 ■「取り組み遅れた」 「スマホへの取り組みが遅れ、魅力のある商品がつくれなかったことが敗因だ」。NECの川島勇取締役は31日の会見で、国内携帯市場の8割を占め、拡大を続けるスマホから撤退する理由を聞かれると、うつむきがちに答えた。 スマホの開発は31日付で打ち切り、生産も発売中のモデルで終える。NECの携帯事業は、スマホの不振で2012年3月期までの3年間で計約400億円の赤字を計上。とくに今年4〜6月は不振を極め、スマホの出荷台数が従来型携帯を下回ったという。 携帯の生産拠点のNEC埼玉