取り調べの可視化(全課程の録音録画)などを巡る法制審議会特別部会の議論は、当初期待されていた冤罪防止の目的から、だいぶ遠いところでなされているように思えてならない。そんな中、取り調べの可視化を求める日本弁護士連合会主催の市民集会が7月31日に開かれ、足利事件の菅家利和さんら冤罪の被害者4人が、取り調べの実態を語り、全面的な可視化の必要性を訴えた。同じ日、「なくせ冤罪えんざい!市民評議会」(客野美喜子代表)が冤罪被害者らと共に法務省を訪れ、可視化などを検討している法制審議会特別部会に対し、全ての事件で取り調べの全過程を可視化するよう求める要望書を提出した。 事実でない調書でもサインしないと取り調べが終わらない日弁連の集会では、逮捕・起訴されたものの裁判で無罪となった2つの事件と、裁判でも有罪とされて服役を余儀なくされ、再審でようやく冤罪を晴らした2事件が取り上げられ、それぞれの当事者が経験を