1993年にスタートしたJリーグは今季で20年目を迎える。その記念すべき開幕を迎えるにあたって、なぜ日本のサッカーがこれほどまでにエンターテイメント性に富んだもののひとつになったのかという理由を考えてみたい。 僕はイタリアで生まれ、これまでにフランスやイギリス、ドイツなどにも住んで仕事をしてきた。これらの国のサッカーも見てきた上で、僕は日本のサッカーが世界一だと考えている。そうと言うと驚かれてしまうかもしれないが、これからその理由を説明させてもらいたい。 1.テクニックに優れる選手たち 数カ月前にウェズレイ・スナイデル選手にインタビューした際に日本の選手たちについて尋ねると、彼は練習での熱心さとボールスキルの高さが印象的だと答えてくれた。まさにその通りだと思う。ブラジルの技術を必死にコピーしようとしていた70年代から、日本の選手たちはできるだけ小さいうちからボールを扱うように教えられてきた