2022年10月、中国共産党大会で異例の「3選」を果たした習近平総書記。彼が手本とするのが、1949年10月から1976年9月まで最高指導者だった毛沢東国家主席です。 毛沢東は大躍進や文化大革命などの過激な政策で中国に大混乱をもたらしました。権力を完全に掌握した習総書記は、これまで以上に毛沢東思想を体現した政策を遂行すると言われており、経済にも悪影響を与えると危惧されています。 なかでも、中国の富裕層が恐れおののくのが、毛主席が唱えた「共同富裕」です。習総書記は崇拝する毛主席に倣って、「共同富裕」政策を復活し、高所得層や企業が得た利益を、社会に還元することを奨励しています。新語・隠語・流行語で現代中国を読み解く現代新書の新刊『ふしぎな中国』の著者・近藤大介氏が、21世紀版の「共同富裕」の行く末を予測します。 習近平が仕掛けた「毛沢東張りの権力闘争」 2022年10月16日から始まった第20