今日は、ちょっと息を抜いて、火山に関するお話をします。うんちくを語ります。眉につばをつけつつ気軽に聞いてください。ウソは言いませんが、本当かどうかよくわからないお話が多いです。歴史をさかのぼって事実をつかまえようとするのは尊いし推奨されるべきことですが、どれほど努力しても間違いのない事実が確認できるまで至るのはなかなかないものです。 インドネシアのスマトラ島のトバ火山で7万3500年前に、第四紀における世界最大の噴火が起こりました。長辺100キロ・短辺40キロのトバ湖は、その結果として生じたカルデラです。 右下に挿入したグラフを見てください。横軸が時間で、縦軸が海水の酸素同位体比です。酸素同位体比は海水の温度を示していると思ってください。7万3500年前は、前回の温暖期から氷期に移り変わるときにちょうど当たります。このトバ火山の噴火で地球に火山の冬が訪れて、氷期への移行が加速したと信じる人