ポイント 独自開発した最先端の分光計測法と新しいモデルによる理論計算が完全に一致 水の表面は活発で乱雑な構造、強い水素結合で結ばれた水分子のペアが存在 界面研究に画期的な知見を与え、大気環境科学や医療分野に新しい指針 要旨 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、表面・界面に存在する分子を選択的に計測できる最先端の分光計測法と新しいモデルによる分子動力学シミュレーションを用いて、水の表面構造の謎を分子レベルで明らかにし、世界的論争に決着をつけました。これは、理研基幹研究所(玉尾皓平所長)田原分子分光研究室の二本柳聡史研究員と山口祥一専任研究員、田原太平主任研究員らによる実験と、東北大学大学院理学研究科化学専攻の石山達也助教と森田明弘教授らによる理論計算を組み合わせた共同研究の成果です。 水は地球上のいたる所に存在する液体で、生命にとってもっとも重要な物質です。長年にわたってさまざまな