1. 画像圧縮法の意義・用途(概論) 1.1 はじめに 現在、さまざまな画像圧縮方法が開発、実用化されています。その理由として、無圧縮画像のサイズがとても大きく、そのまま電波やネットワーク網に流すにはあまりにデータ量が大きすぎるからです。たとえば‘640*480 24bit-color’の静止画を用意します。すると容量は‘640*480*3=920KB’となります。たった1枚の静止画像を落とすために、ISDN 64kbpsのパリティなど無しで最高通信速度を維持できたとしても、‘640*480*3/(64000/8)’、約2分かかります。これが秒間30フレームだとすると、たった1秒間の画像を表示するために1時間、電話回線をつなぐ必要があります。これでは困ります。 また、画像圧縮のメリットは通信にとどまりません。デジタルカメラやDV等、モバイル機器の高性能化に伴い、そこで取り扱うデータも巨大