男マスダ(定職就任おめ)激奨につきこうてみた。まだ半分くらいしか読んでいないのだが、頭を抱える。 確かに随所に 「ナショナリズムはのっぺりと国民全部に拡散するのではなく、人種や階級といった、国内における立場の違いを、色濃く反映するのがふつうなのではないだろうか。」(20頁) とか、 「日本の責任にすべてを還元し、それに都合のよい相手方の声だけ輸入を企てるという論法には、むしろ日本の覇権主義へのノスタルジーを感じる。」(24頁) といった卓見が見られ、文化研究者としてのセンスを感じさせるのだが、いかんせんその背景をなすところの第1章の労働市場論というか、高度成長・経済発展についての記述につっこみどころが満載。これではたとえ第2章以下のカルスタの部分がよくできてても、本の価値が半減だ。 例えば 「石油危機を契機に、次のような事情が明らかとなった。大量生産品から多品種少量生産への移り変わりは、移