国内最悪の産業廃棄物不法投棄事件があった豊島(てしま、香川県土庄町)で3月、産廃の撤去が完了した。もとの風景やきれいな地下水にどこまで戻せば「終わり」と言えるのか――。住民と県の考えはすれ違う。 「グランドキャニオンみたいやろ」 かつての不法投棄現場を訪れると、産廃が撤去されたあとの地面が深くえぐられ、採掘場のような穴だらけの土地になっていた。「廃棄物対策豊島住民会議」の安岐(あき)正三事務局長(66)は記者を案内すると、こう言葉を詰まらせた。「元に戻すのは、自分の世代では無理」 住民の闘いは40年以上にわたる。1980年代、産廃業者が所有していた豊島北西の約28・5ヘクタールの土地に大量の産廃が持ち込まれ、悪臭や野焼きの煙に悩まされた住民が「豊かな島を返せ」と声を上げた。住民と香川県は2000年に国が間に入った公害調停を結び、今年3月に産廃の撤去がようやく完了。6月には無害化処理も終わっ
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