試合後、アンドレス・イニエスタ選手(右)、ダビド・ビジャ選手(左)と記念写真に納まるヴィッセル神戸の三木谷浩史会長=1日午後、東京都新宿区、国立競技場(撮影・中田匡峻) 感極まった表情で優勝カップを掲げるイレブンに、惜しみない拍手を送った。ヴィッセル神戸の経営に情熱を注ぎ始めて16年。三木谷浩史会長(54)は、選手の手で宙に舞った。 25年前の阪神・淡路大震災が、人生を変えた。 「限られた中で精いっぱいやらないと後悔する。自分が正しいと思うことを失敗してでもやろう。そういうふうに、ふと思いましたね」 神戸市で生まれ育った三木谷会長は、震災で母の妹夫婦と、小中学校時代の友人を亡くした。海外出張を取りやめて向かった公民館には遺体が並び、自転車で市内を横断すると、慣れ親しんだ景色が一変していた。当時勤めていた銀行を退職し、起業家に転身。震災から2年後、インターネット通販サイト「楽天市場」を開設し