NTTドコモが「瞬速5G」というキャッチフレーズを打ち出した。高速通信規格「5G」を使うサービスで高速化を前面に打ち出す背景には、KDDIとソフトバンクの2社との方針の違いがある。技術面での厳格さを優先するあまり慎重なマーケティング戦略を選ぶ姿は「4G」への移行期を思い起こさせる。 11月5日に開かれたNTTドコモの新サービス・新商品発表会。12月の社長交代を控え、最後の登壇となった吉沢和弘社長は「新たな価値の創出や社会課題の解決のためには、5Gネットワークの質が何よりも大切。ドコモは3つの新周波数にこだわり、『瞬速5G』として展開していく」と述べた。 ただの「5G」ではなく「瞬速5G」というサービス名を打ち出したのはなぜか。背景にあるのは、5Gのエリア拡大のスピードでKDDI、ソフトバンクの2社が先行することへの危機感と対抗意識だ。 ドコモは5G基地局を21年6月に1万局、22年3月に2