「ゴホン!と言えば」と聞けば、誰もが「龍角散」と続けられるほど、強いブランドを持った龍角散。しかし、1990年代半ばには倒産の危機に瀕していた。ゆでガエル状態の会社で経営改革を断行し、最近では服薬ゼリーという新市場を切り開くなど、奇跡の復活を成し遂げた龍角散社長の藤井隆太氏に、日経トップリーダー「週刊 社長@ボイス」キャスターの内田まさみさんがインタビューした。 龍角散のルーツは江戸時代にさかのぼります。この長い歴史のある会社の社長に藤井さんが就任されたのが、20年ほど前ですね。 藤井:そうです。35歳の時でした。社外で10年ほど勉強をしていました。父の健康状態が良くなくなったため急きょ戻ったのですが、この会社は将来どうなるのだろうかと不安になりました。営業へ行っても売れなくて、工場では作るものがない。財務諸表を見たときには、どこか計算が間違っているのではないかと思うくらい驚きました。 定