最近の為替相場を通貨安競争という視点で捉えるなら、劣勢なのは明らかにユーロである。 もちろんより長いスパンでみれば今のユーロの水準は危機前と比べれば大幅に低い水準であり、ここで少し戻していることはECBのドラギ総裁が言うとおり「ある意味で、通貨ユーロへの信認回復の表れ」と見るのは無理のある話では無い。 しかしながら自国通貨高が自国産業、特に輸出企業、に与える影響を考えると、低成長・高失業率の多くのユーロ圏の国にとっては最近のユーロ高傾向には当然心中穏やかざるものがあり、フランスなどは通貨安競争に参戦すべきという意見が高まっているように見える。 これに対抗している中心はドイツであり、建前としては為替相場は市場に任せるべきとの姿勢を維持しつつ、通貨安競争参戦の為のECBによる更なる金融緩和への要求をけん制している。 通貨安競争、独仏に溝=緩和策めぐり綱引き 時事通信 2013/2/12 16: