日本の環太平洋連携協定(TPP)交渉参加をめぐり、日米両政府は事前協議で合意しました。米政権が日本の交渉参加を議会に通告し、議会が承認するかどうかへと移ります。この局面で、TPP問題をどうみるか。東京大学大学院農学生命科学研究科の鈴木宣弘(のぶひろ)教授(農学博士)に聞きました。 聞き手 渡辺 健 日米の事前協議の合意は、屈辱的なものでした。米国の要求を一方的にのまされ、日本は何も得られませんでした。 「入場料」段階で無茶苦茶な話が BSE(牛海綿状脳症)対策としての米国産牛肉の輸入規制は、すでにあっさり緩和されました。日本はさらに緩和しようとしています。 自動車は、米国の業界を納得させるために、米韓FTA(自由貿易協定)より米国の自動車業界に有利なものにすることで合意しました。自動車での米韓の関税問題を例に、日本がTPPに参加しないと、韓国との競争に不利だ、負けると、日本の政府や財界・自