細胞の内部まるごと立体的に観察 理研が新型X線顕微鏡2008年12月30日0時53分印刷ソーシャルブックマーク 人間の染色体を3次元で輪切りにした画像=理化学研究所提供 細胞の内部をまるごと、立体的に観察できるX線顕微鏡を、理化学研究所が開発した。新薬開発のカギとなる細胞内のたんぱく質の構造解析などに役立つと期待される。30日付の米物理学会誌フィジカル・レビュー・レターズ(電子版)に発表する。 X線はCTスキャンのように体の内部を見るのに使われるほか、結晶中の原子の並び方やDNAの構造など、規則的な微細構造を調べるのにも威力を発揮する。しかし、細胞ぐらいの大きさだとX線が素通りするだけで、内部の観察にうまく使えなかった。 理研は大型放射光施設スプリング8(兵庫県佐用町)でつくった、波の山と谷がきれいにそろったX線を利用。これを細胞などに当て、通り抜けてきたX線のわずかなゆがみを高精度に測定