山崎宏さん 【北京=古谷浩一】中国山東省青島の日本総領事館に入った連絡によると、日中戦争に従軍した後、中国に残留して同省済南市で医師を続けてきた山崎宏さんが1日、同市内の自宅で死去した。102歳だった。故人の遺志で、遺体は地元の医療機関に献体されたという。 岡山県出身。1937年に軍属として中国に渡り、軍馬の獣医師として従軍した。終戦を迎えた際、「(日本軍の中国人に対する行為への)償いとして、残って役に立ちたい」と残留を決心。52年に医師になり、地元の診療所で治療にあたってきた。 山東大学で日本語を教えるなど日中友好にも尽くし、昨年に100歳の総理大臣敬老表彰、今年8月には外務大臣表彰を受けていた。