世界最大手のソフトウェア会社からオファーをもらいながら、社員14人のベンチャー企業に就職──。 現在はグーグルジャパンの「顔」として活躍する徳生健太郎。東京大学の合格者数で全国トップクラスの筑波大学附属高校を3年の途中で退学し、渡米して現地の高校に編入した経験を持つ彼が、米スタンフォード大学の大学院に在学中に決断した就職先もまた、日本の“常識”とはかけ離れたものだった。 サンフランシスコのサウス・オブ・マーケットにあったベンチャー企業のオフィスには、徳生と同じ20代の若者たち。やっぱりランチにはみんなでハンバーガーを頬張っていたりしたのか、などと想像し、そのまま問いかけてみたのだが、徳生は身を乗り出して丁寧に答えてくれた。 「いや、それはとても大事な問いかけなんです。アメリカ人だからきっとこうに違いない、という思い込みが、どうも日本人にはあるんですよね」 徳生の鮮烈な記憶に残っているのは、