昨年閣議決定されたエネルギー基本計画で、「重要なベースロード電源」と位置付けられた原発。しかし同計画へのパブリックコメント(国民からの意見募集)では、寄せられた意見の9割超が脱原発を望むものだった。安倍内閣はこうした国民の意向を無視するかのように、原発再稼働に前向きだ。 秋から冬にかけて、多くのビジネス・論壇誌でにわかに注目されている言葉がある。「CFD(Contract for difference)」=差額決済契約。電力の買い取り価格を一定期間、保障することを可能とするしくみだ。日本でも2012年から始まった、自然エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)と似ている。 違いは、FITが自然エネルギーを対象としているのに対して、CFDは原発で生じる全てのコストを電気料金に転嫁できる「原発優遇策」として導入が検討されていることだ。コストには、いわゆる「核のゴミ」の処分費用や廃炉費用などが含