この本は、ケンタロウが日常的に使っている料理道具を、そのこだわりと共に紹介している本だ。 通常レシピ本は大判で横長のサイズになるが、この本は文庫サイズ。 そして、何といっても文章が多いのも特徴。半分以上は文章で埋まっているので、彼の文章をじっくり読んでみたい人にはぴったりだ。 生まれて初めて買った包丁の話、炊飯器、冷蔵庫、フライパンへのこだわりなど、道具を紹介しているというよりは、ケンタロウの生い立ちから幼少時代、若い頃の話などが盛り沢山で、まさに自伝的エッセイとして仕上がっているのだ。 料理道具から脱線して、カメラの話やギターの話なんかもでてくるのだが、これがまた面白い。 彼のマニアックさ、繊細さ、豪快さのバランスが、文章からすごく良く出ているのだ。 この本を最初に読んだのは、もう3〜4年前のことで、影響を受けて、ケンタロウが紹介している(そして「男子ごはん」でも実際使っていた)ペッパー