石油を原料とした従来のプラスチックは、自然環境に放置されると「マイクロプラスチック」と呼ばれる小さな破片に分解される。これらは完全に自然に還ることはなく、最終的には海に流れ着き、海棲動物に摂取され、体内に蓄積されるので、生態系や人体への影響が懸念されている。 そこで考案されたのが生分解性プラスチックだ。石油由来のプラスチックと同様、使い捨てのお皿やカッ プ、ゴミ袋など幅広く利用できるが、熱によって粉砕されやすく、微生物に食べられることで最終的に水と二酸化炭素に分解されるので環境に優しいとされている。 さて、生分解性プラスチックと言っても、そのなかには大まかに分けて、微生物系、化学合成系、天然系の3つの種類がある。それぞれ温度や湿度、周辺に生息する微生物の種類によって分解速度が異なるのだ。