捕獲に成功した天然ウナギの卵。直径は約1.6ミリ=東京大大気海洋研究所、水産総合研究センター提供 天然のニホンウナギが海で産んだ卵が、世界で初めて日本の研究チームによって発見された。現場は、ウナギの幼生が捕獲されたことがあるマリアナ諸島沖。調査で得られたデータは、ウナギを卵から育てる「完全養殖」の実用化に役立つと期待される。 発見したのは、東京大大気海洋研究所の塚本勝巳教授や水産総合研究センターなどのチーム。1日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ(電子版)に報告した。 2009年5月、調査船で大型のプランクトンネットを引いたところ、ウナギとみられる複数の卵が入った。DNA鑑定で31個がニホンウナギの卵と確認された。いずれも受精卵で、直径は平均1.6ミリだった。 孵化(ふか)するまでの間、海中に卵の形で漂うのはわずか1日半とわかっている。チームは過去の調査データから、産卵